三越伊勢丹/EC・アプリ強化「チャット」で販売員と自宅で直接相談
2020年05月11日 18:16 / 経営
三越伊勢丹ホールディングスは5月11日、EC、アプリなどデジタル施策のさらなる強化を図ると発表した。
同日行われた2020年3月期決算説明会で、杉江俊彦社長が明らかにしたもの。
杉江社長は、「現在進行中の中期経営計画で、オンラインで商品を見て、店舗で購入するなどシームレス化を図っていたが、新型コロナウイルス感染症の拡大、外出自粛の影響で、現在首都圏の三越伊勢丹の百貨店6店舗、小型店全店において休業している。この状況と顧客ニーズに対応するため、EC単体を強化する」。
また、「自宅でもスタイリストが、顧客一人一人におもてなし、来店せずともチャットで相談できるOne to Oneの取り組みを6月にスタートする三越伊勢丹シームレスアプリに搭載。顧客と販売員が、直接つながる仕組みを構築していく」と説明した。
<三越伊勢丹シームレスアプリ>
※出典:5月11日発表決算説明会資料より(以下同)
同社は5月6日、緊急事態宣言の延長を受け、首都圏の三越伊勢丹の百貨店6店舗、小型店全店において食品フロアを含む全館臨時休業を継続することを発表している。
4月8日から休業していた三越オンラインショップ・伊勢丹オンラインショップは、5月7日から順次再開した。
6月には、「いつでも手の中に三越伊勢丹を」をコンセプトとして、スマートフォンから三越伊勢丹にいつでもアクセスできるよう、ECと三越伊勢丹に関する商品やイベント情報を一元化。WEBサイトだけではなくスマートフォンに最適化されたアプリも、同時にローンチする。
アプリでは、プロや馴染みのスタイリストに相談をしたい時には来店をせずに気軽にスマートフォンからチャットを活用できる。
また、アプリのお知らせBOXには、顧客の過去の購買データや、関心度から解析し最適な情報を配信する。
婦人靴や紳士靴で導入済みの3D計測サービスを使えば、足のサイズに合う商品が提案される。
EC、アプリなどのデジタル施策の強化により、2020年度オンライン売上高は当初予想の250億円を上方修正する見込み。
獲得顧客ID数は、130万IDを目標とした。
杉江社長は、「現状ECは10万型の商品を掲載しているが、これを売上の7割をカバーできる15万型に拡充する。現在、EC再開により、売上1位は食品で、次いで家のリビング関係が好調に推移している」としている。
新型コロナウイルス感染拡大が業績に大きくマイナス影響を与えているが、デジタル化推進・基幹システムリプレイスなど2020年度のシステム投資60億円は、維持することも明らかにしている。
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