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ネスレ/無人販売機「食品ロス削減ボックス」を全国5カ所に設置

2021年06月17日 16:00 / 経営

ネスレ日本は6月17日、食品ロス削減事業を行うベンチャー、みなとくと、自社の食品ロス削減を目的とした無人販売機サービス「みんなが笑顔になる 食品ロス削減ボックス」を、「ネスカフェ 原宿」(東京都渋谷区)などの全国5カ所で開始した。

<みんなが笑顔になる 食品ロス削減ボックス>

サービスは、ネスレの納品期限が超過したボトルコーヒーや菓子など商品を、みなとくがネット経由で販売し、購入された商品を全国5カ所に「食品ロス削減ボックス」として設置された冷蔵機能付きの無人販売機「fuubo(フーボ)」に配送する仕組み。「フーボ」は、みなとくが開発した。商品補充もみなとくが週一回程度を行う。

<(左から)キラリス函館、新宿郵便局、ネスカフェ原宿、JR ゲートタワー、中国電力本社のボックス>

「食品ロス削減ボックス」は、「キラリス函館」(北海道函館市)、「新宿郵便局」(東京都新宿区)、「ネスカフェ原宿」(東京都渋谷区)、「JRゲートタワー」(JR名古屋駅、愛知県名古屋市)、「中国電力本社」(広島県広島市)に設置した。ネスレが幅広い人に知ってもらうのに最適と考えた場所を選んだという。

<「みんなが笑顔になる 食品ロス削減ボックス」の仕組み(発表資料より)>

納品期限は、食品業界の商慣習として取り決められている取引条件の一つ。例えば、賞味期限が12カ月のボトルコーヒーで、3分の1が納品期限の場合、賞味期限の4カ月までは出荷可能で、それ以降は出荷ができなくなる。今回のサービスでは、この出荷ができなくなった商品を販売することで、自社の食品ロス削減につなげる。

<商品購入の手順>

具体的な利用方法は、みなとくの専用サイトにアクセスし、購入商品を選択、5カ所から購入場所を指定して代金を支払う。決済後、購入者にはワンタイムキーが送付される。

その後、購入者は指定したボックスに行き、ボックスに印字されたQRコードをスマートフォンで読み込み、ワンタイムキーを入力するとボックスが解錠され、購入商品を取り出すことができる。商品は購入から15日間まで受け取りが可能。

商品は、消費者の認知度を高めるため、自社製品で知名度の高いネスカフェ製品やキットカットから提供することにした。ボトルコーヒーやスティックタイプ飲料などを賞味期限の1~2カ月前まで販売する。価格は、食品ロスの削減を目的とするため、ネスレの通販と同程度に抑えた。

<販売商品のラインアップ例>

ラインアップは「ネスカフェエクセラ ボトルコーヒー 超甘さひかえめ900ml」(税込105円)、「ネスカフェエクセラ スティック ブラック 48P」(645円)、「ネスレ 大人のご褒美 宇治抹茶ラテ 6P」(213円)、「ネスレ 大人のご褒美 ロイヤルミルクティー 7P」(213円)、「ネスレ 香るまろやか ほうじ茶ラテ 20P」(393円)、「キットカット ミニ 3枚」(98円)、「キットカットミニ オトナの甘さ 3枚」(117円)、「キットカットミニ 15枚」(270円)、「キットカットミニ オトナの甘さ 14枚」(270円)を用意した。今後はネスカフェ、キットカット以外の商品の販売も計画している。

<沖杉大地 みなとく 代表取締役社長>

みなとくの沖杉大地社長は「ボックスは食品ロス削減につながる機器として一から開発しており、より多くの人に知ってもらうために、ネスレと組むことにした。今回のサービスを通して、食品メーカーから出るロスを消費者に知ってもらい、お客さんが安いから買うのではなく、食品ロスを防ぐために買うという形にしていきたい」と抱負を述べた。

ネスレでは自社の存在意義として「個人と家族のために」「コミュニティのために」「地球のために」というスローガンを掲げる。今回のサービスは、その中の「地球のために」に関連する活動の一環となる。

<髙岡二郎 ネスレ日本 飲料事業本部 レギュラーソリュブルコーヒー&RTDビジネス部 部長>

ネスレ日本 飲料事業本部 レギュラーソリュブルコーヒー&RTDビジネス部の髙岡二郎部長は、今後の展開について「今回の取り組みが消費者に受け入れられるのかをまずは確かめたい。そのため、まずは5カ所のボックスの売れ行きを見るとともに、ビジネスとして回るかを確認していく。それを踏まえて、運営の最適化やボックスの設置場所の拡大を図っていきたい」としている。

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