J.フロント/人材派遣子会社ディンプル株式の一部をワールドHDに譲渡

2022年01月06日 11:20 / 経営

J.フロントリテイリングは1月6日、連結子会社であるディンプルの株式の一部をワールドホールディングスに譲渡すると発表した。

ディンプル社は100%子会社で、今回、所有する1800株のうち90.0%の1620株を37億8000万円で譲渡する。株式譲渡に伴い、ディンプル社は、J.フロントの連結子会社から除外される。

ディンプル社は、グループの百貨店「大丸」の関連会社として創業し、ビジョンである「“笑顔で誰かを幸せにできる人”の活躍の場を広げる」のもと、全国の大丸・松坂屋店舗での接客接遇に関わる業務受託等にくわえ、百貨店のホスピタリティマインドを活かした外部企業への人材派遣や人材紹介、業務受託を中心に事業を展開している。

近年は人材派遣業を取り巻く環境変化や競合激化など事業環境をふまえ、主に人材紹介事業の強化や外部企業からの業務受託拡大に取り組んできたが、一方で、足元は感染症拡大に伴い百貨店との取引が減少しており、今後においても百貨店ビジネスモデル転換の進展に伴い、グループとしてのシナジーが低減する見通しにある。

以上の点に鑑み、ディンプル社が今後成長するには、人材サービス業に幅広いノウハウを有する他社傘下のもと、営業基盤の拡大と顧客サービスのさらなる向上を図り、安定した事業基盤を構築していくことが最善であると判断した。

このため、ディンプル社の譲渡先候補について検討していたところ、今回、リテール・サービス分野での人材・教育事業の拡大を目指すワールドホールディングス社と譲渡の条件などについて合意に至ったことから、ディンプル社の株式の一部をワールドホールディングス社に譲渡することを決定した。

株式譲渡により、ディンプル社がこれまで培ってきた高いホスピタリティと、ワールドホールディングス社が有するサービス分野での人材事業のノウハウ・ネットワークとの相乗効果により、ディンプル社としての事業成長、経営基盤の強化が図られるものと考えている。

また、J.フロントにおいても事業ポートフォリオの変革に向け、経営資源を主力事業に集中することができると考えている。株式譲渡後においても、ディンプル社はグループの百貨店への人材派遣、業務受託等の取引関係を当面継続する予定だ。

2021年2月期のディンプル社の売上高は96億5300万円、営業損失4800万円、経常損失4700万円、当期利益1億8300万円だった。

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