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阪急うめだ本店×エプソン/店舗装飾の廃棄物量削減の実証実験を共同で実施

2022年03月01日 10:20 / 経営

阪急阪神百貨店は3月1日、エプソン販売と、店舗装飾の廃棄物量削減で映像機器などを活用する実証実験を共同で実施したと発表した。

<実証実験を行った「SIXPAD」の売り場風景>

実証実験は、阪急うめだ本店8階の「プロモーションスペース81」で、2021年11月から2022年1月に4回を開催したイベントで実施。実験では「壁面装飾の素材変更」と「液晶プロジェクターの活用」を行った。

<壁面装飾の素材変更の概要>

「壁面装飾の素材変更」については、イベントスペースに設置される期間限定の店舗壁面を構成する材料に着目し、環境に配慮した素材に変更した。

具体的には、石油由来のスチレンボードのパネルと、塩化ビニールの出力紙の組み合わせで構成していた壁面素材を、固形燃料にリサイクル可能な段ボールボードのパネルと合成紙の出力紙の組み合わせに変えた。

また、イベント終了ごとに素材などを廃棄してきた運用方法を見直し、出力紙をパネルに重ね貼りすることで、パネルを全イベントで継続的に活用した。加えて、イベント終了後には、素材を固形燃料で再利用する運用に変更した。

<液晶プロジェクターの設置台に段ボール素材の什器を採用>

「液晶プロジェクターの活用」では、店舗演出に液晶プロジェクターを導入することで、インパクトと魅力のある売り場づくりを図った。

液晶プロジェクターの設置台には、FSC(森林管理協議会)認証を取得した段ボールベースで製作した什器を採用。再剥離可能な出力紙を使用し、次のイベント開催時もデザインを変更した出力紙の張り替えを可能にして、設置台を繰り返し利用できるようにした。

2社では実験後、壁面装飾とプロジェクター什器を店舗装飾に活用した装飾手法で行ったイベント4回の廃棄物量の合計と、類似した条件下で開催された過去4回の従来手法によるイベントの廃棄物量の合計との比較検証を実施。

その結果、従来手法と比較し重量で約20kg、約14%の廃棄物量を削減。繰り返し使用できる店舗装飾物を利用することで、廃棄物量の削減に一定の効果があることを確かめた。

また、液晶プロジェクターを活用したことで、足を止めて写真を撮る来店者がいるなど、リアル感や臨場感があふれる売り場づくりにもつながったとしている。

今後は、今回の実証実験で得たデータや知見をもとに、6月に阪急うめだ本店で実施する大規模なイベントで、2社が協力し新たな店舗装飾に取り組むことを予定している。

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