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高級コーヒー自販機の丸の内管財/特別清算を申請、負債111億円

2022年03月04日 10:10 / 経営

帝国データバンクによると、丸の内管財(旧・トーヨーベンディング、名古屋市中区丸の内3-7-9)は、3月1日に名古屋地裁へ特別清算を申請した。

同社は、1969年創業、1970年1月法人改組した自動販売機による飲料品小売業者。

高速道路のサービスエリアをはじめ、一般企業や学校などに自社で設置した自動販売機を通じて缶やペットボトル飲料のほか、「ミル挽き珈琲」の名称で知られる独自開発の生豆抽出高級自販機を通じてコーヒーなどの販売を行っていた。

また、病室事業部門では「常時四輪ロック式」サイドテーブル、入院患者向けテレビなどの販売をリース形態中心に手がけ、全国の病院などを販路として営業基盤を構築。2009年2月期には年売上高約165億5300万円を計上していた。

しかし、コンビニエンスストアなどとの競合激化で、自動販売機で飲料を購入する機会が減少。さらにカウンターコーヒーの普及で「ミル挽き珈琲」の優位性も低下した。

また、病室事業部門でも、入院期間の短縮化やテレビを見ない患者が増え、同業他社との価格競争もあって受注量は減少し、2020年2月期の年売上高は約119億7800万円にダウンしていた。その後も、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外出自粛要請に伴い旅行等が手控えられたことでサービスエリアでの飲料販売が低迷。また、一般病棟の利用者が減少したため病室事業部門の売上も落ち込み、一層業況は厳しくなっていた。

こうしたなか、不適切な会計処理が発覚し、資産査定を行ったところ実態は大幅な債務超過に陥っていたことが判明。対外信用が失墜したこともあって、急激に資金繰りが切迫し、自力での再建を断念。2020年12月に病室事業部門をT&Pメディトラスト(東京都文京区)に、2021年9月には自販機部門を新設されたトーヨーベンディング(名古屋市西区)にそれぞれ新設分割で事業譲渡し、今回の措置となった。

負債は、2021年2月期末時点で約111億9700万円だが、変動している可能性があるという。

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