イオンモール/遠隔地から送電する再エネ電力を今秋30施設で活用

2022年05月17日 14:00 / 経営

イオンモール、みずほ銀行、みずほ証券、みずほリース、 エコスタイルは5月17日、国内最大規模となる「自己託送方式による低圧・分散型太陽光発電設備を通じた再生可能エネルギー調達」について基本合意したと発表した。

<自己託送方式による再エネ活用の仕組み>
自己託送方式による再エネ活用の仕組み

この取り組みは、2022年秋に全面稼働する国内最大規模のオフサイトコーポレートPPAとなる見込み。オフサイトコーポレートPPAは、発電事業者と電力需要家が、あらかじめ合意した価格および期間における再エネ電力の売買契約を締結し、オフサイトで発電された再エネ電力を送配電事業者の送配電設備を利用し、電力需要家へ供給するもの。

加えて同規模のオフサイトコーポレートPPAにおいて、全量遠隔地の太陽光発電設備で発電した電気を、送配電事業者の送配電設備を利用し、自社施設または自社グループの施設へ送電する自己託送を活用。複数の電力エリアにおいて同時期に複数の需要地点に送電することは、国内初の取り組みとなる予定だ。

また、全国にある約740カ所の低圧太陽光発電所で発電した電力約65MW(一般家庭の約1万6000世帯分の電力使用量相当)を、一般送配電事業者が管理・運営する送配電ネットワークを利用し、2022年秋に全国のイオンモール約30施設に供給する自己託送を目的としている。

低圧・分散型太陽光発電は、メガソーラーと異なり大規模開発を必要とせず、林環境保全を図りつつ、耕作放棄地を中心とする遊休地を活用した、環境負荷の少ない再生可能エネルギー電源となる。比較的短期間で開発できるため、スピーディーに脱炭素を実現できるという。

さらに、自己託送の活用により、建物、駐車場の屋根など、電力需要家の敷地内に太陽光発電設備を設置することが難しい場合でも、電力を利用する場から離れた敷地に発電設備を設置し、送配電事業者の送配電設備を利用して送電するオフサイトでの送電が可能。小売り電気事業者を介さずに発電所と電力需要家が長期契約を結ぶことで、再生可能エネルギーを市況に左右されず安定的に調達できるため注目を集めている仕組みとなっている。

イオンモールは発電事業者や電力需要家の位置づけであり、みずほグループ各社はファイナンスアレンジの提供、スキーム構築に関する助言、リスクマネーの供給、エコスタイルは発電所の設置から運用と保守(O&M)、自己託送の導入・運用のサポートを行うことを想定している。

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