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鷹正宗/民事再生法適用を申請、負債36億円

2023年06月01日 17:29 / 経営

帝国データバンクによると、鷹正宗(資本金9000万円、福岡県久留米市小頭町8-12)は、6月1日に福岡地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

同社は、天保年間創業、1935年11月に法人改組した180年以上の業歴を有する老舗の焼酎・清酒製造業者。麦焼酎「めちゃうま」を中心ブランドとした焼酎、清酒「鷹正宗」、みりんの製造のほか、漬物などの食品の卸も手がけていた。

以前は大手飲料メーカーの管理下で運営されてきたが、地場中堅酒類問屋の原武商店(同日に自己破産を申請)が株式を取得して同社のグループとなったという。

清酒の主力銘柄である「鷹正宗」は、銘柄に「鷹」の文字が入っていることから、地元プロ野球球団とのタイアップを過去に行った実績などもあって知名度は高かった。焼酎関係は、モンドセレクションなどの受賞歴を有し、高い品質評価を得たことで、2006年12月期の年売上高は約51億円を計上していた。

しかし、同業者との価格競争が厳しく、小売店向けなど国内向けの出荷量が減少するなど業績は低迷し、2022年12月期の年売上高は約27億100万円となっていた。

利幅の薄い量販店向けの出荷などがあるほか、為替変動の影響による外国産原酒の変動、資材関係の値上がりなどの影響を受けやすく、余裕のない資金繰りが続いていた。設備投資を銀行借り入れに頼ったことで、借り入れ依存も高い状況にあったことに加えて、6月1日には関係会社である原武商店が自己破産を申請。自力再建を断念せざるを得ず、今回の措置となったという。

負債は2022年12月期末時点で約36億8300万円だが、変動する可能性があるとしている。

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