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「食品業」倒産/3年ぶり増の561件、小売業は21.5%増の186件

2023年05月08日 14:20 / 経営

東京商工リサーチが5月2日に発表した2022年度「食品業」の倒産調査によると、「食品業」の倒産(負債1000万円以上)は561件(前年度比27.2%増)と3年ぶりに前年度を上回った。

<2022年は3年ぶり増の561件に>
2022年は3年ぶり増の561件に
※出典:東京商工リサーチホームページ(以下同)

しかし、2003年度以降の20年間では、2021年度(441件)、2020年度(550件)に次いで3番目に低い水準にとどまっている。

また、「新型コロナ」関連倒産は268件(前年度比56.7%増)で、前年度(171件)の1.5倍に拡大した。業種別最多が「農畜産物・水産物卸売業」の58件(構成比46.7%、前年度43件)だった。続いて「食料・飲料卸売業」45件(同47.8%、同35件)、「菓子・パン小売業」34件(同69.3%、同14件)となっている。

同社は、「食品業は、コロナ禍での外出自粛やイベント中止・延期などもあった一方で、巣ごもり需要などの恩恵も受けた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻、円安、水道光熱費の高騰などによる価格転嫁が小規模企業ほど困難であり、倒産件数を押し上げる可能性が出てきた」とみている。

小売業の倒産は21.5%増の186件

業態別では、製造業157件(前年度比45.3%増)、卸売業218件(21.1%増)、小売業186件(21.5%増)と、全業態で増加した。

特に、製造業では、食材価格だけでなく、光熱費などの上昇も大きく、他の業態に比べ伸び率が大きかったという。

業種別(小分類)では、最多が「農畜産物・水産物卸売業」の124件(前年度比30.5%増、構成比22.1%)で、3年ぶりに前年度を上回った。

<業種別最多が農畜産物・水産物卸売業の124件>
業種別最多が農畜産物・水産物卸売業の124件

また、「鮮魚小売業」16件(前年度比33.3%増)が2年連続、「野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造業」15件(650.0%増)と「食料・飲料卸売業」94件(10.5%増)、「各種食料品小売業」35件(45.8%増)、「野菜・果実小売業」14件(27.2%増)、「菓子・パン小売業」49件(22.5%増)が3年ぶり、「畜産食料品製造業」10件(150.0%増)と「食肉小売業」10件(100.0%増)が4年ぶり、「水産食料品製造業」39件(50.0%増)が5年ぶりに、それぞれ前年度を上回った。

資本金別は1000万円未満が327件(構成比58.2%)、負債額別も1億円未満が350件(62.3%)と、それぞれ約6割を占めた。また、形態別では破産が498件(88.7%)と約9割近くなっている。

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