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セブン&アイ/そごう・西武譲渡「池袋本店の売却で理解得られず」

2023年10月13日 14:21 / 経営

セブン&アイ・ホールディングスは10月12日、そごう・西武の株式譲渡交渉において、西武百貨店池袋本店の売却について、そごう・西武側の理解が得られなかったことを明らかにした。同日開催した2024年2月期第2四半期決算説明会で、井阪隆一社長が語った。

<セブン&アイ>

井阪社長は、「今回、池袋(本店)の不動産を売却して、その資金で負債を完全に返済する。それによって、企業の存続と事業の継続をするスキームをフォートレスさん、ヨドバシさんとずっと打ち合わせしてきた。(そごう・西武に)池袋の不動産売却をしなければダメなのか、という点について、何回も何回もご説明を重ねたのですが、池袋はやはりそごう・西武の発祥の地でもあり、西武百貨店の旗艦店であり、どうしてもご理解いただけなかった。頭では、負債を返済するために、これだけの資産を売却しなければならないということを分かっていただいても、お腹の中で、なかなか落ちなかったというふうに感じております」と述べた。

また、株式譲渡の延期については、「先方と何回もお話しして、延期ではランディングができないという話をし、対話の中でそういう状況になったということで決断をした。もう一つは、やはり9カ月間譲渡が行われないことによって、途中でリモデルがストップしてしまって板囲いで囲ったような場所がお店の中に残ってしまう。あるいは、働いている従業員の方たちが逆に一体どうなるんだろうという方向感が見えない。それから取引先も非常に不安になるということでありました」と語った。

その上で「株式譲渡ができた段階で具体的な投資計画が出て、新しい株主さんがどれくらい投資をするんだ。それによってどれくらいお店がきれいになって、どういう具体的なフロアプランが作れるんだということもそこで確定する。そういう意味で、譲渡を早期に実行した方が将来が見えてくるということを考えた」と述べた。

ストライキが発生した点については、「そごう・西武の件ではストライキなどで、61年ぶりということで注目を集めました。お客様には大変ご心配・ご迷惑をおかけして申し訳なく思っております。一方で、労働組合とはしっかり対話も重ねたんですが、どうしてもご理解いただけない部分があって、今回スト決行になってしまった。大変残念に思っております」と語った。

さらに、「私どもとしては、事業の継続、事業の存続そして雇用の維持のためには、私どものグループの中にいるよりはベストオーナーを探した方が、そごう・西武ブランドのためにもなるということでしっかり打ち合わせをして進めたわけでございます。今回の売却については、非常に多くのステークホルダーの皆様にご納得をいただかないといけなかったということで、全員に一同に対してご説明するということが非常に難しい案件であった。相対で、あるいは一部集まっていただいて、丁寧に丁寧に進めてきた結果、9カ月という時間を要したというふうに認識しております」と株式譲渡交渉の長期化の背景を説明した。

また、「(そごう・西武は)4期連続損失で3000億の負債を抱えて、しかも私どもは2021年に非常に大きな買収をしてホールディングスとしても大きな負債を持っている中で、そごう・西武を成長させるための投資ということは、どうもしてもできなかった。そのために、ベストオーナーということで新しい株主さんを探しに行ったということでございまして、そこの背景については、アウトラインとしては決算説明会あるいは中計の報告の都度ご説明を申し上げてきたと思います」と述べた。

そして、「今後のSST(スーパーストア)事業の変革についても、いろんなステークオルダーの方が関わっていらっしゃいますので、業界が中心になると思いますけれども、しっかり丁寧なコミュニケーションを取りながら一点、一点、精査をしながら一人一人のステークオルダーの皆さんとしっかり対応をしながら進めていきたいと考えております」と語った。

さらに、「レピテーションという点においては、先ほど申し上げましたストライキを起こしてしまった。発動させてしまったという点については、私どもの責任も非常にあったというふうに考えております」とコメントした。

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