山形屋/事業再生ADR手続開始、経営改善の取り組み発表
2024年05月14日 10:20 / 経営
鹿児島県と宮崎県で百貨店を展開する山形屋は5月10日、事業再生ADR手続を開始すると発表した。事業再生ADR手続とは、取引金融機関である金融債権者の理解と協力を得ながら円滑な事業再生を図る手続。産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続であり、公正中立な第三者である事業再生実務家協会(同協会は、法務大臣より認証紛争解決事業者としての認証及び経済産業大臣より特定認証紛争解決事業者としての認定を受けた団体)の関与の下で進める手続となる。
グループは、宝暦元年(1751年)の創業以来、「信用第一」、「顧客本位」、「あくまでも堅実に」を社是とし、鹿児島県及び宮崎県における百貨店事業を中心に、地域社会の発展、そしてお客の豊かな暮らしの実現に努めてきた。しかしながら、近年の大型商業施設の進出に伴う競争の激化に加え、建物の耐震工事やフロアのリモデルを目的とした設備投資を行った矢先に新型コロナウイルス感染症拡大の影響が重なるなど、グループを取り巻く環境は急激に変化している。
そのような状況においても将来を見据えて持続的な経営を行うべく、グループとしては、鹿児島銀行をはじめとした取引金融機関と協議を重ねた上で、事業再生ADR手続を活用するに至り、現在、収益性確保と資本強化、そして持続的成長を目的とした、より確実性の高い事業再生計画案の策定に取り組んでいる。
今回、メインバンクである鹿児島銀行やその他の取引金融機関からも、事業への深い理解と厚い支援を得ており、グループの確実な事業の再建に向けてスクラムを組んで手続を進めている。そのため、近々、グループ策定の事業再生計画案について、取引金融機関の同意を得て成立する見込みと考えており、これによりグループの経営改善に向けた体制が整う。
事業再生ADR手続は、取引金融機関のみを対象に進められる手続であり、グループと現在、取引している、顧客や取引先(仕入先等)に影響を及ぼすものではない。 一部報道により顧客や取引先には、多大な心配を掛けているが、グループは、役職員一同一丸となって、これまで以上に地域社会の発展、そして豊かな暮らしの実現に貢献できるよう経営改善に取り組むという。
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