カクヤス/PB商品の開発に注力、24年度は1.5倍に

2024年05月22日 17:49 / 経営

カクヤスグループの佐藤順一 会長 兼 CEOは5月22日、メディア向け事業説明会で「PBに注力して粗利率の改善と商品の安定供給を図る」と発表した。

これまでカクヤスはNB品を中心に、首都圏の大手飲食店や個人店に商品を供給してきた。だが、円安や値上げラッシュなどの外部環境の変化によって、商品確保が困難な場面が増えてきたという。同社によると、2023年に酒類を値上げした会社は約1200社で、アイテム数に換算すると2万3000SKUに上る。

そこで、顧客のニーズにいつでも対応して、商品を安定供給できるよう、PB商品の生産・販売量を増やす方針にした。加えて、粗利率の改善も図っていく。

<佐藤会長>

佐藤会長は「PB商品に注力することで粗利率を改善していく。一般的な小売業のPB比率は平均16~17%だが、カクヤスは3.5%と極めて少ない。酒以外にもPBの割合を拡大し、調味料や日用品、ペット用品なども手掛けていく。

商品供給の面で例を挙げると、クリスマスでシャンパンの在庫がほとんど切れたことがあった。在庫がないと、顧客から何かしら商品を持ってきてほしいと要望があった際に、対応できない。PB商品の割合を増やせば、メーカーによる出荷調整の影響も少なくなる。安定供給のために商品を増やす」と説明した。

<カクヤスの独占輸入シャンパン>

<徳村取締役>

カクヤスのPB商品について、同社の徳村健 取締役は「現状の59SKUに対して、今年度は1.5倍の89SKUを目指す。コスパ・タイパに訴求した商品を開発する。最終的に、飲食店に入らなければPBを開発する意味がない。しっかり作りこみをして、市場に浸透させていく。

弊社は、トレンドに敏感な飲食店情報をベースにした開発基盤を持つが、特に個人飲食店のデータを持つことが強みだ。そこに法人・家庭用の販売データが加わることで、他社とは異なる商品開発ができる。BIツール使って即時解析・プランニングを行い、開発スピードを上げていく」と述べた。

取材・執筆 古川勝平

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