越境EC/約40%が日本旅行時に購入した商品を再購入
2017年12月19日 15:08 / EC
日本貿易振興機構(ジェトロ)は12月12日、「中国の消費者の日本製品等意識調査」の結果を発表した。
越境ECでの日本商品の購入経験の有無を聞いたところ、67.7%が「購入したことがある」と回答。また、「ない」と答えた人も4割以上が今後購入したいと答えており、越境ECを通じた日本商品購入のニーズは強い。
<越境ECで商品を購入する理由>
出典:JETRO調査資料(以下同じ)
越境ECで日本の商品を購入する理由を尋ねたところ、「中国の店頭で販売されていない製品だから」「日本に旅行をしたときに購入して気に入った製品だから」「ニセモノではないから」「価格が安いから」などが挙がった。
特に、「日本に旅行をしたときに購入して気に入った製品だから」との回答が前回調査の22.7%から40.4%に高まり、2位となった。1位は「中国では店頭で販売されていない製品だから」の44.4%。
日本旅行の人気回復は、越境ECでの日本製品購入にも好影響を与えているものとみられる。日本への中国人旅行者数に再び増加の兆しがみられ、また日中関係の改善も進む中、訪日中国人のインバウンド消費にも更なる増加が期待される。
購入商品の上位3位は化粧品、食品、医薬品であるが、今後購入したい商品のトップには電気製品が挙げられた。
日本旅行経験者が日本で最も買いたいものとしては「化粧品」「衣料・日用品」「デジタル製品」「食品」「家電製品」などが挙がった。購入場所は「百貨店」「家電量販店」「免税店」「ドラッグストア」などが上位となった。
一方で、日本製品を選ばず外国製品を買った人もいる。その理由として多かったのは「使い方、機能、効能がわかりにくかった」「値段が高すぎた」などの点であった。そのほか、「製品にストーリー性がない」との意見もあった。これらの点は中国人への日本製品拡販のヒントと言える。
日本製品の購入場所は「百貨店」「家電量販店」「免税店」「ドラッグストア」などが上位となった。
輸入食品を購入したことがある中国人は82.6%だった。さらにその輸入食品の原産国について、日本、米国、英国、韓国など8カ国の何れかを回答してもらったところ、日本産食品の購入率は54.9%となり、原産国別で3年連続第1位となった。第2位は韓国(42.0%)、第3位は米国(31.9%)が続いた。
日本は初回調査の2013年(47.0%)からの上昇幅が7.9ポイントと調査対象国のなかで最も大きかったほか、属性別でも全ての層で第1位となっている。
日本でしたいことを聞いたところ、「遊園地、テーマパーク、娯楽施設等で遊ぶ(60.8%)」が第1位となった。第2位は「食事(51.7%)」、第3位は「買い物(50.6%)」であった。また第4位には「桜鑑賞(42.3%)」が入り、季節限定のイベントながら人気の高さが示された。
旅行に関する情報源としては、中国にいる親族・友人、との回答が最も多かった。訪日経験者や日系企業勤務者等からの口コミが主たる情報源として有力なツールとなっていると思われる。なお、旅行会社や日本の観光案内所も比較的多かった。
アンケート結果から見れば、中国人旅行客の誘致において、桜鑑賞を要素に取り入れた旅程の提案や、旅行関連情報を在中・在日の中国人の口コミに乗せることは、1つの有効な策と考えられる。
調査は2017年8月、北京市、上海市、広東省広州市、湖北省武漢市、重慶市、四川省成都市に居住する20歳~49歳の中国人(月収5,000元以上のミドル・ハイエンド層)に対し、日本をはじめとする各国の製品、海外旅行、越境ECへの関心についてアンケート調査をしたもの。
■「中国の消費者の日本製品等意識調査」結果
https://www.jetro.go.jp/news/releases/2017/9c767c469d4a6467.html
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