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三菱地所/有楽町に会員制起業家コミュニティ、ソフト面重視の施設開発

2020年02月13日 16:40 / 店舗

三菱地所は2月14日、個人単位のアイディアを形にするワーキングコミュニティ「有楽町『SAAI』Wonder Working Community(以下:SAAI)」をオープンする。2月13日マスコミ向け内覧会を開催した。

<有楽町に会員制起業家コミュニティ>
有楽町に会員制起業家コミュニティ

同社は、これまでスタートアップ企業を対象としたインキュベーションオフィスを整備してきたが、SAAIは、「人」「個」にフォーカスし、有楽町周辺の大手起業に勤務するイントレプレナー(社内起業家)、イントレプレナー候補をメインターゲットとした会員制コミュニティ。個人がアイディアを出し合い、磨き、実際に事業化していく過程までをサポートする。

<兼業・副業時代に個人が活躍できるコミュニティ>
兼業・副業時代に個人が活躍できるコミュニティ

企業に在籍しながらも何か新しいことに挑戦したい人、新規事業担当として自社内で事業を模索している人など、既存の枠に捉われない「個」を育み、兼業・副業時代に個人が活躍できるコミュニティを目指す。

約1000m2にフリーワークスペース、プレゼンエリア、ユーザーの交流を促すバー、イベントもできる和室、大小5つの会議室、キッチン、固定デスク(36席)スペースを用意した。定員は約500人で、現在約140人が登録。料金はコミュニティ会員月額税別1万円、フリー席会員2万5000円、固定席会員6万円とした。

有楽町エリア再開発プロジェクト「マイクロ スターズ ディベロップメント」の一環でもあり、人・アイディア・文化・食の多機能型市場(店舗)「マイクロ フード&アイディアマーケット」と連携。「SAAI」で生み出されたアイディアは、実際に一般消費者が訪れるリアルな同店を活用して実験的に展開することができるため、トライ&エラーを繰り返す環境を提供する。

<イベントもできる和室>
イベントもできる和室

吉田誉・丸の内開発部長は、「当社は1998年の丸ビル建て替えから、丸の内、大手町の再開発を推進。SAAIは、2030年までに有楽町・常盤橋を中心に、イノベーション創発を目標とする街づくり計画『丸の内NEXTステージ』の一環。従来の建替えなどハード面の開発に止まらない、アイデアが生まれ、育つ過程を支援するソフト面も含めた開発を行う」と説明した。

「丸の内NEXTステージ」は、今後の街づくりのテーマを「丸の内Reデザイン」と掲げ、人・企業が集まり交わることで新たな「価値」を生み出すことを目標とした。有楽町エリア、常盤橋エリアを重点更新エリアとし、2030年までに総額6000~7000億円程度を投じ、建替え、リノベーション、ソフト整備を推進する。

<会員制倶楽部施設跡をリノベーション>
会員制倶楽部施設跡をリノベーション

SAAIは、新有楽町ビルが竣工以来利用されてきた会員制倶楽部施設跡をリノベーションし、整備したもの。国内有数のアクセラレーターであるゼロワンブースターが、施設運営を行う。会員の状況、ステージに合わせた様々な事業創造支援プログラムを提供していく。

事業開発未経験者に、起業、事業開発のマインドセットや基礎的な知識を提供するプログラム、起業家・社内起業家(潜在層含む)が自ら志すビジネスプランを持ち込み合い、コミュニティの中でプランをブラッシュアップし、PMF(プロダクトマーケットフィット)を推進していくプログラム、インプットフェーズを終えた起業家・社内起業家のビジネスを市場エントリーすることを伴走していくプログラムなどを用意した。

また、思いついたアイディアをもとに、プロジェクト化し形にしていくことができるシステム「STUDIO」を導入。当初は、「マイクロ スターズ ディベロップメント」プロデューサーらが、オリジナル商品開発、音楽と健康のプロジェクトなどを開始し、今後、会員の自発的なプロジェクトを育成、活動費の一部を補助する。

ゼロワンブースターの鈴木規文代表取締役は、「日本は、大手企業に潜在的起業家が眠っている。会員の交流を促進し、様々なイベント、プログラムで彼らの起業家魂に火をつけ、一緒に事業を開発していきたい」としている。

<ユーザーの交流を促すバー>
ユーザーの交流を促すバー

さらに、会員同士の交流を促進するコミュニケーションハブとしてバーカウンターを設置。コミュニティマネージャーであるチーママ、チーパパが、会員の相互交流を促し、施設の活性化に寄与する試みも始める。

会員の相互交流を主な目的とした「SAAIアプリ」を3月下旬に導入。イベント情報の閲覧、会議室予約、STUDIOをともに立ち上げるメンバーの募集の機能を設定。SNS機能も備え、会員同士の施設外でのコミュニケーションを促す。

<廃材となった太陽光発電のパネルを再利用したテーブル>
太陽光発電のパネルを再利用

設計は、リノベーション建築に定評のあるオープン・エーが担当。昭和の空気を残した倶楽部施設の空間構成、什器、THROWBACKプロジェクト(廃材となった什器の再生利活用)の製品を活かした空間に仕上げた。

<待合に帝国劇場のいす、壁のレリーフは倶楽部時代のもの>
待合に帝国劇場のいす

■有楽町「SAAI」Wonder Working Community 施設概要
所在地:東京都千代田区有楽町1-12-1 新有楽町ビル10階
アクセス:有楽町駅より徒歩1分
面積:約1000m2
企画:三菱地所
設計・監理:オープン・エー
運営:ゼロワンブースター
開業:2020年2月14日
https://yurakucho-saai.com

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