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大手百貨店/7月売上高5社そろって前年比増、19年比14~20%減

2021年08月02日 16:20 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は8月2日、7月の売上速報を発表した。

三越伊勢丹既存店計前年同月比16.6%増(2019年同月比約20%減)、J.フロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店既存店計)8.6%増(20.0%減)、エイチ・ツー・オー(阪急阪神百貨店全店計)12.0%増(既存店15%減)、高島屋既存店計(国内子会社含む)7.3%増(14.2%減)、そごう・西武10店計5.0%増(14.7%減)だった。

■三越伊勢丹HD(2021年3月期売上高:8160億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比26.9%増、三越日本橋本店店頭7.0%増、三越銀座店26.6%増などで、三越伊勢丹既存店計16.6%増だった。

札幌丸井三越10.3%減、函館丸井今井8.5%減、仙台三越2.6%減、松山三越44.1%減など、国内グループ百貨店計は0.8%増となり、国内百貨店計は9.2%増となっている。

6月21日以降、全店舗で通常営業(レストランのみ時短営業)としており、国内百貨店の7月売上は前年を上回った。前年比の伸び率でも6月を上回り、ロイヤリティの高い顧客の購買を中心に売上を下支えし、引き続き回復基調を維持している。

売上の前々年比では三越伊勢丹計で約8割、グループ百貨店計で約9割弱、合わせた国内百貨店計で約8割強となる。

顧客ロイヤリティの高いラグジュアリーブランドや希少性が高いデザイナーズブランドなど、高付加価値な商品へのニーズは依然として高く、伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店での客単価上昇を主要因に、時計、宝飾、ハンドバッグも好調を維持。また、両本店で、東京五輪の自宅観戦需要から酒類などの食品の一部アイテムも好調に推移した。 

三越伊勢丹オンラインストア(ギフトEC含む)の売上は前年比約1.1倍強、前々年比約1.3倍強と、人気催事による購買が下支えしている。

免税売上は、主要3店舗における前年7月実績の反動が大きく国内百貨店合計で前年実績を上回った。

■J.フロントリテイリング(2021年2月期売上高:7662億円)
大丸松坂屋百貨店の売上高は前年同月比8.4%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は7.8%増だった。

7月度の売上高は、ラグジュアリーブランドや宝飾品が引き続き好調であったほか、イエナカ食として惣菜や菓子も相対的に堅調であったことから、好調に推移した。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、前年比87%増(客数34%減、客単価181%増)。

7月度の大丸松坂屋百貨店既存店計(法人・本社等の本年・過去実績を除く)は対前年比8.6%増、対前々年比20.0%減、うち国内売上高(免税売上高の本年・過去実績を除く)は対前年比8.3%増、対前々年比12.8%減だった。

■H2O(2021年3月期売上高:7391億円)
百貨店事業の全社計の売上高は前年同月比12.0%増となった。内訳は阪急本店20.3%増、阪神梅田本店15.4%減、支店計7.6%増。

来店客の購買意欲は高く、高額商品の動きが活発な阪急本店が牽引し、前年実績を上回った。

既存店の売上高前々年対比15%減(国内売上高9%減)と、今年は、夏のクリアランスを6月開始に早めたことを考慮する
と、堅調に推移しているとみている。

お中元が、EC売上高が2ケタ増と好調で、全体では前年実績を上回る見込み。

阪神梅田本店は、建て替え工事の影響で売場面積が全館で約2割減(食品売場は約4割減)の状況に、臨時休業もあり厳しい状況だという。

東京で12日から「緊急事態宣言」再発令の一方、大阪では「まん延防止等重点措置」が8月22日まで延長。レストランの時短営業と、出入口の規制・検温を継続している。

阪急本店では、全てのカテゴリーで前年実績を上回った。特に、100万円以上の高額品は、前々年売上高もクリアし、依然好調を継続している。売上高前々年対比は11%減(国内売上高1%減)とコロナ前水準にほぼ復調したという。

オンライン売上高(EC+リモートショッピングサービス「Remo Order」)も、前年の約2割増と好調継続(全店も同水準)
となっている。

人気の海外催事を2年ぶりにリアルで開催。海外旅行に行くことができない状況下で旅の気分を味わいたいという人がSNSに対する反応も良く、好評だった。

■高島屋(2021年2月期売上高:6808億円)
高島屋各店の既存店計売上高は前年同月比7.7%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた各店・および国内百貨店子会社の既存店計は7.3%増(2019年比14.2%減)となった。

7月度の店頭売上は、高額品の好調が続き、前年よりも降雨日が少なかったことから、前年実績を上回った。

既存店の免税売上は前年比116.8%増(2019年比83.1%減)、免税を除いた既存店店頭売上は6.6%増(9.2%減)となっている。

店舗別では、大阪・京都・日本橋・横浜・新宿の大型店に加え、玉川・岡山・岐阜・高崎の各店で前年実績を上回った。

商品別売上(同社分類による15店舗ベース)は、
特選衣料雑貨・宝飾品・呉服・スポーツ・食料品などが、前年実績を上回っている。一方、紳士服・紳士雑貨・婦人服・婦人雑貨・子供・リビングが前年実績を下回っている。

■そごう・西武(2021年2月期売上高:4404億円)
そごう・西武10店の売上高は前年同月比5.0%増(2019年同月比14.7%減)、西武池袋本店は17.5%増(12.1%減)となった。

関東圏においては、まん延防止等重点措置および緊急事態宣言下の営業が続くも、全体では前年を上回る水準まで売上を戻した。なかでも、高級雑貨呉服は前年比約20%増、プレステージブランドについては約10%増まで売上を伸ばし、イエナカニーズを受けた食品、インテリアも前比約5%増。 衣料品計としても前年売上を確保した。

免税利用売上高・来店動向は、売上前年比約15%増(2019年比約70%減)、客数前年比約30%減(約95%減)となった。

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