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介護食、高齢者食、病者食市場/21年度加工食品2.9%増、調理品1.4%増

2022年10月11日 13:00 / 経営

矢野経済研究所は10月7日、介護食、高齢者食、病者食の加工食品市場と、同調理品(給食、配食サービス)市場に関する調査概要を発表した。

介護食、高齢者食、病者食の加工食品市場と、同調理品市場を調査し、製品セグメント別の動向、チャネル別の動向、参入企業の動向などを明らかにしたもの。

<介護食、高齢者食、病者食の加工食品市場規模推移>

<介護食、高齢者食、病者食の調理品(給食・配食サービス)市場規模推>

2021年度の介護食、高齢者食、病者食を合算した国内市場規模は、加工食品(メーカー出荷金額ベース)が前年度比2.9%増の1886億円、調理品の末端売上高(給食サービス提供価格、在宅配食サービス提供価格)ベースは同1.4%増の1兆4804億円と推計した。

内訳をみると、介護食の加工食品市場が前年度比3.4%増の1278億円、調理品市場が同1.2%増の5526億円、高齢者食の加工食品市場が同2.0%増の254億円、調理品市場が同4.8%増の3461億円、病者食の加工食品市場が同1.7%増の354億円、調理品市場が同0.3%減の5817億円と、病者食の調理品市場を除く5カテゴリではコロナ禍でも伸長する結果となった。

冷凍弁当・惣菜を配食する「冷凍宅配食」の市場が注目を集めている。常温・チルド食を主に配食してきたサービス事業者が冷凍商材の取り扱いを強化していることもあり、市場規模は今後も拡大する見込みだ。

メリットが多く、供給側の配食サービス事業者は冷凍にすることで事業運営の効率化が図れ、デリバリーコストも削減可能。需要側の利用者はまとめ買いをしてストックできるため、在宅して毎日受け取る必要が無くなるなど利便性が向上する。高齢者食に加えて、介護食や病者食(調整食)でも商品ラインアップが充実しており、冷凍宅配食の市場規模は今後も二桁成長が見込まれると予測する。

介護食、高齢者食、病者食の市場は、高齢化や生活習慣病の増加を背景に、今後も拡大すると予測する。但し、国の政策や高齢者の生活スタイルの変化から、病院から高齢者施設へ、そして高齢者施設から在宅へと、高齢者の住処は今後も変化する見通しだ。

今後の市場では、在宅の単身高齢者や高齢者夫婦が買い物や調理の手間暇をかけることなく、栄養に配慮された美味しく安全な食事を喫食出来ることが求められる。介護食、高齢者食、病者食の加工食品市場規模は2026年度には2091億円に拡大すると予測し、調理品(病院や施設の給食、弁当等の配食サービス)市場規模が、2026年度には1兆5923億円に拡大すると予測する。

■調査要綱
調査期間:2022年7月~9月
調査対象:給食サービス企業、在宅配食サービス企業、加工食品メーカー
調査方法:社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話などによるヒアリング、ならびに文献調査併用

■問い合わせ先
https://www.yano.co.jp/

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