寛一商店など9社/調剤薬局運営、会社更生法の適用申請、負債111億円

2024年07月29日 13:11 / 経営

帝国データバンクによると、寛一商店(京都市)など9社は7月26日、東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、同日保全管理命令を受けた。負債は寛一商店が約52億円で、9社合計で約111億5000万円。

寛一商店は、2012年11月に設立された調剤薬局の運営業者。2014年に「なぎさ薬局」の名称で店舗を開設後、全国の中小規模の調剤薬局を買収して事業を拡大し、北海道から九州まで全国一円で50店舗以上の調剤薬局を運営するほか、北海道や富山県などで高齢者を対象とするデイサービス事業なども手がけ、年商は16億円程度で推移していた。

しかし、大手薬局チェーンを中心に調剤併設型のドラッグストアが台頭するなど調剤薬局が乱立。競争激化に歯止めがかからないなか、薬価引き下げの影響などもあって収益性が悪化していた。また、事業拡大を目的にM&Aを繰り返し、それに伴う金融機関からの借入金負担も重荷となっていた。

2020年以降は、新型コロナ感染拡大による各医療施設への受診控えの影響を受け処方箋数が伸び悩み、売り上げが大きく減少。2024年に入ってからは、取引金融機関に対して返済猶予を要請していたものの、同意が得られず資金繰りがひっ迫し、業績改善の見通しも立たないため今回の措置となった。

なお、現在も営業は継続中。早期にスポンサー企業の選定手続きを開始する予定だ。保全管理命令発令後、保全管理人において三菱UFJ銀行との間で当座貸越契約を締結しており(極度額10億円)、事業運営上必要な範囲で新規の融資(DIPファイナンス)を受ける計画だ。

同様の措置となっているグループ企業は、アサヒ調剤薬局(北海道函館市)、ハヤシデラ(滋賀県東近江市)、共生商会(青森県青森市)、ハーベリィ科学研究所(北海道函館市)、ソフトリー(新潟県長岡市)、ライフプランニング(新潟市中央区)、新潟医薬(新潟市中央区)、さくら調剤薬局(新潟市東区)となっている。

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