洋菓子店の倒産/24年度過去最高の51件、ショートケーキの原価は2割超上昇

2025年04月03日 16:56 / 経営

帝国データバンクの調査によると、2024年度に発生したケーキ店など「洋菓子店」の倒産は51件だった。

<洋菓子店の倒産件数>
洋菓子店の倒産件数

前年度(32件)から1.6倍増加し、これまで最も多かった2019年度(44件)を上回って最多を更新した。

原材料として使用量の多い小麦粉のほか、鶏卵や砂糖、バターといった食材に加え、円安の影響を受けたナッツやフルーツ、カカオ不足で高値が続くチョコレートなど、主要な菓子原材料の価格が軒並み高騰したことが大きな打撃となった。

一般的なショートケーキ(ホール・18cm丸型)にかかる原材料コストについて、帝国データバンクが店頭価格データなどを基準に「ケーキ原価」として算出した結果、ショートケーキの原価はイチゴなどの価格高騰を背景に5年間で2割超上昇した。

チョコレートケーキの原価も、カカオ不足の影響を受けて5年間で約3割上昇するなど、ケーキの製造にかかわるコストが上昇し続けている。

同社はこうしたコスト増加分をケーキの販売価格に転嫁できず、利益を確保できない洋菓子店の割合が増えているとみている。

<24年度の洋菓子店における損益状況>
24年度の洋菓子店における損益状況

2024年度の洋菓子店における損益状況をみると約3割が赤字となった。

「減益」を含めた「業績悪化」の割合は約6割で、過去最大だった2020年度(70.3%)以来の水準だった。

「安価で高品質のコンビニスイーツや、店舗拡大を進める大手洋菓子チェーン店との競争があるなか、スケールメリットによるコスト低減余地に乏しく、昨今の物価高で価格に敏感な消費者による買い控えを懸念して値上げが難しくなっていることも、洋菓子店の倒産が急増した要因になった」と分析している。

帝国データバンクの調査の集計期間は2000年4月1日~2025年3月31日まで。集計対象は、負債1000万円以上・法的整理による倒産。

焼肉店の倒産/24年度は過去最多の50件発生

流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。

メルマガ無料登録はこちら

経営 最新記事

一覧

帝国データバンクに関する最新ニュース

一覧

スイーツに関する最新ニュース

一覧

倒産に関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧