賃上げ2025／UAゼンセン正社員5.38％・パート6.37％、87万人強が妥結

2025年03月19日 14:37 ／経営

UAゼンセンが3月19日発表した2025年労働条件交渉の2次集計によると、正社員183組合、パート115組合、契約社員24組合（計87万人強）で、組合員の賃上げが決定した（同日10時現在）。

＜87万人強の賃上げが決定＞

正社員の妥結総合計（制度昇給、ベアなど込み、加重平均）は1万7149円（5.38％）、賃金引き上げ分（ベアなど）は1万2237円（3.80％）の引き上げとなった。

パート時給は、妥結総合計は73.8円（6.37％、加重平均）、契約社員は総合計加重平均で1万2260円（5.15％、加重平均）となっている。

正社員は、前年はUAゼンセンの要求基準を上回る高い要求を掲げ、満額妥結をした組合が多かったため、前年2次集計値1万7949円（5.87％、181組合集計）を下回った。しかし、25年も半数近い76組合で満額回答（内18組合が満額超）で妥結した。

部門別では、製造産業部門は昨年より要求基準を引き上げ、前年同組合比較の妥結総合計率は5.67％と前年に比べ、0.46％上回っている。

流通部門、総合サービス部門は前年と同様の高い要求基準を維持して取り組み、前年微減となった。

＜部門別妥結状況＞

		総合計（制度昇給、ベア等込）引き上げの集計					賃金体系維持が明確な組合の賃金引き上げ分（ベア等）の集計
		組合数	要求		妥結		組合数	要求		妥結
		人数	額（円）	率（％）	額（円）	率（％）	人数	額（円）	率（％）	額（円）	率（％）
単純平均	全体計	183組合	18,730	6.06	16,764	5.41	130組合	13,890	4.47	11,870	3.81
	製造産業部門	41組合	19,314	6.15	17,211	5.47	34組合	13,867	4.38	12,325	3.88
	流通部門	86組合	17,671	5.79	15,511	5.08	64組合	13,258	4.32	11,183	3.64
	総合サービス部門	56組合	19,927	6.41	18,361	5.89	32組合	15,180	4.87	12,759	4.07
加重平均	全体計	297,123人	18,871	5.95	17,149	5.38	212,397人	13,874	4.34	12,237	3.80
	製造産業部門	59,511人	20,897	6.15	19,278	5.67	52,196人	14,637	4.33	13,766	4.06
	流通部門	176,691人	17,891	5.76	15,788	5.05	136,837人	13,299	4.24	11,454	3.63
	総合サービス部門	60,921人	19,732	6.32	19,015	6.05	23,364人	15,541	4.92	13,406	4.21

規模別では300人未満の組合の妥結総合計（制度昇給、ベア等込）が1万7292円（5.73％）と、300人以上の組合の1万7145円（5.37％）を上回り、中小企業でも積極的な賃上げが見られた。

また、初任給は高卒（111組合）の平均は20万8459円で1万1404円（5.5％）、大卒（139組合）の平均は24万8826円で1万2921 円（5.2％）のアップとなっている。

企業内最低賃金は101組合が1万2001円（5.9％）引き上げで妥結し、平均が20万4532円だった。

パート時給は、前年2次集計時の70.3円（6.41％、126組合集計）を額では上回っている。また、75組合で満額回答（内6組合が満額超）で妥結した。

妥結総合計6.37％は正社員の5.38％を大きく超え、2次集計時点としては10年連続で上回り、雇用形態間格差の是正が進んでいる。

＜パート妥結状況＞