賃上げ2025/UAゼンセン1次集計パート75.7円で妥結、地方・中小が奮闘
2025年03月13日 16:43 / 経営
UAゼンセンが3月13日発表した2025年労働条件交渉の1次集計によると、正社員組合員139組合、パート組合員95組合、契約社員組合員15組合が妥結した(同日10時現在)。
正社員の妥結総合計(制度昇給、ベア込み)は1万7046円(5.37%)、賃金引き上げ(ベアなど)分1万2064円(3.75%)。前年と比較できる134組合との比較では、ほぼ前年並みを確保した。
パート時給の妥結総合計は75.7円(6.53%)の引き上げとなった。正社員より率で上回るのは、9年連続となる。昨年の同時期は70.8円(6.45%、104組合集計)だった。前年と比較できる91組合の加重平均額は、4.7円増(0.09%)。
同日の会見で、永島智子会長は「正社員は過去最高となった昨年に続き、3年連続で高い水準となった。パートも現時点で、昨年を超え過去最高の結果となっている。
集中回答日の前から、早め高め、満額回答で妥結を出したことが、高い賃上げの定着、非正規の格差是正に向けた流れをつくれた。後に続く中小組合からの期待を背負って交渉に当たり、高額回答を引き出した各加盟組合の奮闘に、心から敬意を表したい」と話した。
UAゼンセンは正社員6%、パート7%を2025年の全体方針としていた。正社員は高い水準の賃上げが定着し、パートは大きな引き上げを進んだという(西尾多聞書記長)
また、規模別では、300人未満の組合の妥結総合計が1万8092円(5.94%)と、300人以上の組合1万7027円(5.36%)を上回っている。
流通部門の桂義樹事務局長は、現在の同部門の交渉状況について「72組合(昨年比1組合増)で妥結した。300人未満の組合の結果は300人以上の組合を上回っている。賃金以外でも、11組合で平均1.7日増の休日増を獲得。サミットでは、定年が60歳から65歳に延長が決まった」と説明した。
総合サービス部門の高(正式にははしご高)井哲郎事務局長は、「流通部門・総合サービス部門は人手不足が特に顕著な産業であり、採用の競争が厳しく、人材確保のためにも、労使で昨年の早い段階から話し合った企業が高い賃上げを実現している」と述べた。
なお、契約社員組合の総合計は加重平均で1万2525円(5.25%)の引き上げとなっている。
前年と比較できる15組合では、前年に比べ176円(0.32%)下回った。
取材・執筆 鹿野島智子
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