ローソン/全国展開と地域密着の両輪で国内の成長へ、竹増社長「難問に挑み続ける」
2025年06月06日 10:10 / 経営
50年前の6月14日、ローソンは大阪府豊中市に1号店をオープンした。それから50年が経過し、日本は人口減少が進む。国内市場は今後、どういった成長が可能なのか。竹増貞信社長が、日本国内の成長戦略を語った。
6月3日に開催された創業50周年の発表会で、竹増社長は「お客様のローソンへの期待も変わってきている。より地域に密着した、より地域のニーズに合った店づくりが求められており、それを実行できればさらに成長していける」と述べた。
その1つの形が、ローソンが進める「地域共生コンビニ」だ。
和歌山県田辺市の龍神村地区は人口減少と高齢化が進む地域で、2023年7月に地域唯一のスーパーが閉店。最寄りのスーパーやコンビニまで車で30分以上かかる状況となっていた。
そうした中、昨年10月に「ローソン龍神村西店」がオープンした。
店内では、おにぎり・デザート・揚げ物・店内調理の弁当といったローソンの標準的な商品に加えて、生鮮品や冷凍食品なども取り扱う。さらに地域交流スペースとして、小上がりのある広いイートインスペースも設けた。
「例えば、朝はサンドイッチ、昼に弁当、夜にはスイーツという具合に、日常生活のすべてでローソンを使っていただいている。今までとは需要が異なる店になっている」という。
その一方で、「我々は全国展開するナショナルチェーンでもあり、どこであっても均等な店舗を運営していくのが競争力の源になっている」。
この両面を踏まえ「ナショナルチェーンとしての競争力と、地域社会からのニーズを受けた地域化。この相矛盾する2つをどのようにバランスを取って、各地でお客様のニーズに応えていくか。この難問に挑み続ける限り、国内でも安定した成長ができると考えている」と言及。
ローソンでは今期から中期経営方針「ローソングループ Challenge2030」を策定。国内コンビニ事業は、日販30%増、店舗オペレーション30%削減を目標に据える。
「グループの成城石井やエンタテインメント関連などの事業を融合し、KDDIさんのAI・デジタルを活用したつなぐ力を組み込んで、新しい小売りのあり方を構築できれば、さらなる成長ができる」とした。
取材・執筆 比木暁
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