西武池袋本店/3階にコスメ売場オープン、3年で化粧品売上高45%増目指す
2025年07月08日 14:56 / 店舗レポート
そごう・西武は7月9日、「西武池袋本店」(東京都豊島区)3階にコスメティックスフロアをオープンする。8日メディア向け内覧会を実施した。
2023年、セブン&アイホールディングスが同社をフォートレス・インベストメント・グループに売却。「西武池袋本店」はラグジュアリー、コスメ、デパチカの食品の強化を軸に、全面改装している。
寺岡泰博店長は「西武池袋本店は売り場面積が半減し、(百貨店としての)フルラインアップ、フルターゲットのサービスは面積の関係でできなくなった。しかし、われわれが強みとしてきたラグジュアリー部門、コスメ、デパチカを強化。この3部門を圧倒的スケールで磨いていく。まずは、改装でお待ちいただいた既存のお客様の期待に応えられるよう頑張りたい」と意気込みを語った。
今後出店予定のヨドバシカメラとの住み分けについて、「ヨドバシカメラはどちらかといえば日常向けの商品をたくさん扱っている。われわれはトレンドの発信や、非日常的な空間をウインドーショッピング含めて楽しんでもらうという役割がある。うまく住み分けながら、サービスを提供していく」と述べた。
3階スキンケアなどコスメティックス、1階フレグランス(2025年12月オープン予定)を合わせた売り場面積は、改装前の1.4倍の1970m2、57ブランド(新規導入16ブランド)が登場する。
1・3階フルオープン後、3年目でコスメ売上高は改装前比45%増を目指す。
広く、落ち着いた買い物空間形成のため、コスメティックスフロアは1階から3階に移転。3階には、新規導入7ブランドを含む47ブランドがそろう(7月9日時点では41ブランド)。
3階は、館全体のテーマである「INCLUSION(インクルージョン)」(性別、国籍など多様性を重視)に沿って改装した。3方向から売り場につながる入り口を設け、買い回りしやすく、アクセスしやすい売り場を目指した。
ブランドマネジメント部コスメ担当の渡辺いつ子BMマネージャーは「1フロアで47ブランドという首都圏でも最大規模のショップ集積と体験型サービスの充実が、われわれの一番の強み。高級スキンケアをじっくり試せるキャビンを6ブランドで導入。一方、駅ナカという立地でもあり、忙しい人、お土産に買うものが決まっている外国人旅行客、ハイブランドを試してみたい若年層に向けに、クイックな買い物がしやすいコーナーを両立している」と説明した。
エスティ ローダー、クレ・ド・ポー ボーテ、ゲラン、ディオール ビューティー、ヘレナ ルビンスタイン、ラ・メールの計6ブランドは、売り場に専用キャビンを併設する。
また、ブランドを問わず利用できる「SEIBU Premium Room(セイブ プレミアム ルーム)」(約50m2)を新設した。カウンセリングスペース、ドレッサーを完備。美容イベントやセミナーなども開催できる。
イベントスペース「NEWS」(約60m2)が、3階中央に設置された。ラグジュアリーブランドが期間限定で ポップアップストアを展開する。
「ラグジュアリーブランドに興味はあるが、直営店に買い物に行くのは敷居が高いと感じている若い方に、コスメフロアにあることで気軽に買い物しやすい場所を提供。ラグジュアリーブランドへの1つのステップとなればと考えている」という(渡辺マネージャー)。
また、近年高まっているラグジュアリーコスメのギフト需要にも対応。「ギフトはそのものだけでなく、渡したときの高揚感も大事だと考えた。そこで、一部有料のものも含め、各ブランドにラッピングツールの充実もリクエストした」(渡辺マネージャー)。
そのほか、インクルージョンというテーマに合わせ、フロア全体で男性美容部員を11人に増員(1階での営業時より5名増)。店内放送も男性のアナウンス、英語・中国語・韓国語の多言語放送を取り入れる予定だ。
7月8日、3階は招待客のみの営業となっている。来場者には、ピンクのバラが1輪ずつプレゼントされた。「ピンクのバラの花言葉は『感謝』。この1~2年色々な思いの中で、地域のお客様に励ましていただいた。ぜひ感謝の気持ちを形にしたいと思い、用意させていただいた」という(寺岡店長)。
■3階 コスメティックスフロア
所在地:西武池袋本店3階(東京都豊島区南池袋2-28-1)
面積:1700m2
コスメティックスブランド:新規導入7ブランドを含む47ブランド
新規ブランド:グッチ ビューティ(8月下旬オープン予定)、ディオール ビューティー、バーバリー ビューティ、プラダ ビューティなど
カフェ:ラ・メゾン・デュ・ショコラ カフェ(9月オープン予定)
■今後のオープンスケジュール(2025年7月時点予定)
2025年9月:地下1・2階デパチカ(菓子・総菜・ギフト)
2025年11月~:2・4・6階インターナショナルブティック、5階ジュエリー・ウオッチ
2026年1月以降 :地下2階デパチカ(生鮮・酒)、1階インターナショナルブティック、7・8階ファッション&グッズ、ライフスタイル、イベントホール、アートギャラリー
取材・執筆 鹿野島智子
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