大手百貨店/11月売上高4社そろって増、冬物が好調
2025年12月02日 15:19 / 月次
百貨店4社が発表した11月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹計前年同月比1.4%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)4.2%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)3.6%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)3.5%増だった。
| 社名 | 売上高前年同月比 |
| 三越伊勢丹 | 1.4%増 |
| J.フロントリテイリング | 4.2%増 |
| H2Oリテイリング | 3.6%増 |
| 高島屋 | 3.5%増 |
■三越伊勢丹HD(2025年3月期売上高:5555億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比1.5%増、三越日本橋本店店頭4.0%増、三越銀座店1.4%減などで、三越伊勢丹計1.4%増。3カ月連続で前年を上回った。
函館丸井今井6.7%減、仙台三越5.7%減、新潟三越伊勢丹1.9%増、静岡伊勢丹3.4%増、名古屋三越4.3%減、広島三越16.4%減、岩田屋三越3.0%増など、国内グループ百貨店計は1.1%減、国内百貨店計は0.6%増となっている。
国内顧客は引き続き識別顧客がけん引している。海外顧客でも、海外外商を中心に識別個客の売り上げが伸長しており、海外顧客向けアプリも含めたCRM戦略の効果・必然性が高まっている。
また、気温の低下にともない、カシミヤなどの上質素材のコート・セーターやブルゾンといったシーズンアイテムが堅調に推移した。また、商品供給力に強みのある高額時計についても、国内顧客・海外顧客ともに売上高が大きく伸びた。
■J.フロントリテイリング(2025年2月期売上高:4418億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比5.1%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は4.2%増だった。
11月は、休日数が対前年2日増だったことに加え、訪日外国人売り上げや外商売り上げが好調を持続した。また、気温の低下に伴い秋冬物衣料品が活発に動いた。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、客数、客単価ともに前年実績を上回ったことから、13.6%増、客数9.9%増、客単価3.4%増となっている。
店舗別では、15店舗中12店舗が前年実績を上回った。特に、外商売り上げが好調な心斎橋店は対前年2桁増となった。
■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2025年3期売上高:6817億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比3.6%増となった。内訳は阪急本店0.7%増、阪神梅田本店23.3%増、支店計2.8%増だった。
全店の概況として、阪急本店の大型改装に伴う売場閉鎖のマイナス影響が依然継続する中、国内売上高は前年を上回り好調で、都心店計、郊外店計、全店計いずれも前年の売上高を上回った。
一方、免税売上高は前年をやや下回った。中国の顧客の免税売上高は月間としては前年を上回ったが、11月後半は海外VIP顧客以外のツーリスト客の売上高が約2割減と前年を大きく下回る推移となった。
阪神梅田本店は、段階的に改装を実施しており、地下1階と1階の食品フロアがリニューアルオープン。全国各地のローカルフードの品ぞろえ拡充や、全国初出店ブランドなど話題性の強化により、食品物販の売上高が約2割増と前年を大きく上回っている。店舗全体としても前年売上高に対し約2割増となった。
阪急本店は、6階のフロア全体の閉鎖など大型改装に伴う売場縮小のマイナス影響が継続する中、国内売上高は前年を上回り好調。店舗全体として、同月の売上高で2カ月連続過去最高を更新した。
11月に入りようやく最高気温が20℃を下回る日が増え、ジャケットやコートなど秋冬の衣料が好調に推移し、モードファッションでは約3割増、コンテンポラリーファッションでは約2割増と、前年の売上高に対してそれぞれ高い伸びを示した。
また、アクセサリーでは引き続きブライダルニーズが好調で、約1割増。100万円以上の高額品の売上高は、前年に対し約1割増と伸び、全体の売上高を下支えした。
■高島屋(2025年2月期営業収益:5750億円)
高島屋各店計は3.7%増、岡山高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は3.5%増だった。
免税売上高3.1%減。免税を除いた店頭売上高は4.4%増となっている。
国内顧客は、気温の低下にともないコート等の冬物衣料に動きがみられたことで前年実績を上回った。インバウンド顧客について、化粧品、婦人服等は前年からプラスとなったが、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品がマイナスとなった影響が大きく、前年実績を下回った。
店舗別売上高は、大阪店、京都店、泉北店、日本橋店、新宿店、玉川店、大宮店、柏店、EC店、高崎店が前年越えとなった。
商品別売上高(同社分類)は、紳士服、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、子供情報ホビー、スポーツ、食料品、食堂が前年実績を上回っている。
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