モスバーガーの櫻田社長/後継者は自分とは異なるタイプを選んだ
2016年04月25日 17:30 / 経営
モスフードサービスの櫻田厚会長兼社長は4月25日、本社で開いた新商品発表会で、6月に実施する社長交代について説明した。
同社は株主総会後に、中村栄輔常務取締役執行役員総合企画室ブランド戦略室開発本部ストア事業開発部管掌が代表取締役取締役社長ストア事業開発部管掌に就任する人事を発表している。
「18年前に創業者である社長が突然亡くなるという事態があり、私が社長が引き継いだが、そのトラウマをずっと持っていた。人間である以上、いつ何が起こるかは分からない。後継者の育成はずっと念頭に置いてやってきた。社長在任期間は18年で、外食産業で私より長く社長を務めた人は、吉野家の安部さん(安部修二氏)ぐらいで、そろそろ交代と思った」と述べた。
人選については、「後継者は他人であり、自分と同じ人間ではない。まず考えたのは、自分とは違うタイプの人間だ。私は、創業期から店舗運営など、現場からのたたき上げできた。次期社長の中村は、法務部門など管理畑を歩んできた。当然、私とは能力が違う」と語る。
後継者の育成については、「私も数年は、代表取締役会長として残り、中村をサポートしていく。FC本部は加盟店のオーナーの人の苦労を分かちあう感情的な面も大切だ。中村は、左脳にあたる能力は私の10倍はすごいが、右脳の感情に訴える面は、まだこれからだ。これまで私が対外的に行ってきた、アピールの仕方、オーナーとのコミュニケーションの深め方など、伝えていきたい。異なるタイプの人間が、得意分野を補完しあうことで、強い後継者が育つと思う」と語った。
櫻田氏は1951年生まれの64歳で、創業者櫻田慧氏の甥にあたる創業者一族出身。
セブン&アイ・ホールディングスの後継者問題については、「世間一般的には、企業のガバナンスの問題というとらえ方をされているが、私はもっと根幹の問題があったと思う。能力という意味ではなく、全体的な経営という面で、創業者を2代目が超えた時に起きたケースだ。創業家はマネジメントとして、なくてはならない存在だ。そこをどこかで錯覚されたのではないかと思う」と述べた。
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