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イオン/3~11月、カジタク不正会計処理で当期損失63億4300万円

2020年01月10日 17:00 / 決算

イオンが1月10日に発表した2020年2月期第3四半期決算によると、営業収益6兆3870億500万円(前年同期比0.8%増)、営業利益1030億8100万円(5.4%減)、経常利益933億7300万円(15.3%減)、親会社に帰属する当期損失63億4300万円(前期は6億3000万円の利益)となった。

<イオン店舗イメージ>
イオン

当期損失は、イオンディライトの子会社であるカジタクで判明した不正会計処理、誤謬の修正額を、第1四半期連結会計期間(2019 年3月1日~5月31日)に一括計上したことが主たる要因であり、その影響を除いた場合の当第3四半期連結累計期間の営業利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は増益となり、営業収益、営業利益は過去最高となった。

GMS事業は、営業収益2兆2766億3800万円(0.2%増)、営業損失は181億2600万円(前年同期より6億8800万円の増益)。イオンリテールは、33店舗の既存店活性化と9店舗の新規出店を実施。イオン北海道は、30件の既存店を活性化した。

また、10月の消費税増税に対応し、9月には家具、家電、リフォームの高額商品や家庭用消耗品、ビューティケア関連商品、増税前ニーズの高い商品を拡販し既存店売上高が前年同期比11.9%増と大きく伸長した。

10月は増税の影響を受けたものの、11月はイオンが国内において先鞭をつけたブラックフライデーにおいて、衣料の半額企画、ホームファッション商品の冬物値下げ、タイムサービスの特別企画が好評を博したこともあり、消費税増税の翌月にもかかわらず既存店売上高が0.9%増と伸びた。

これらの取り組みの結果、既存店売上高は1.6%増となり、営業損益も改善した。

SM事業は、営業収益2兆4035億7600万円(1.1%減)、営業利益45億3000万円(65.6%減)。改装を推進したマックスバリュ北海道、マックスバリュ中部と経営統合したマックスバリュ東海は好調だった。

ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益6521億3800万円(10.5%増)、営業利益222億6700万円(28.6%増)。既存店の改装と「調剤併設」、「カウンセリング」、「深夜営業」、「介護」を4つの軸とするウエルシアモデルの積極的な推進が奏功している。11月末の店舗数は1998店舗。

総合金融事業は、営業収益3528億6900万円(10.1%増)、営業利益396億6300万円(16.4%減)。新規会員獲得に伴い取扱高が伸長し増収だったが、国内事業におけるキャッシュレス推進施策に伴う広告宣伝費の増加に加え、海外事業においても米中貿易摩擦や香港のデモ活動に起因する経済環境悪化、フィリピンの連結子会社不適切会計処理の影響により減益となっている。

ディベロッパー事業は、営業収益2758億9200万円(3.6%増)、営業利益437億8400万円(18.2%増)。イオンモールは、4モールの増床、11モールのリニューアルを実施した。

同社の海外事業においては、中国、アセアンともに増収増益を計上している。

サービス・専門店事業は、営業収益5564億4000万円(3.6%減)、営業利益29億7200万円(88.0%減)。イオンファンタジーは、人気ゲーム機の積極的導入や、店舗別価格体系の見直し効果などで、増収増益だった。

国際事業は、営業収益3274億9100万円(0.8%減)、営業利益56億1500万円(前年同期より58億1200万円の増益)。営業強化策に加え、効率的な経費運用の推進により、中国における国際事業は第3四半期連結累計期間において損益改善となった。

通期は、営業収益8兆6000億円(前期比1.0%増)、営業利益2300億円(8.4%増)、経常利益2200億円(2.3%増)、親会社に帰属する当期利益250億円(5.8%増)を見込んでいる。

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