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くら寿司/11~7月、売上高は回復も国内・米国苦戦で営業損失3億7600万円

2023年09月08日 10:40 / 決算

くら寿司が9月8日に発表した2023年10月期第3四半期決算によると、売上高1550億6700万円(前年同期比15.1%増)、営業損失3億7600万円(前期は3億8200万円の損失)、経常損失1億7000万円(前期は29億8900万円の利益)、親会社に帰属する当期損失6億4900万円(前期は17億1100万円の利益)となった。

<くら寿司>

日本国内の売上高は1216億6900万円(8.4%増)、経常損失11億400万円となった。期初から新型コロナウイルス感染症第8波による人流の減少や、飲食店における迷惑行為の影響を受けたが、コロナ禍の収束に伴い、回復基調となった。人流が回復してきたことに加え、コストアップに対応するため、商品ごとにきめ細かく適正な価格を設定したことが奏功し、収益面の改善に貢献した。

販売面では、4月から地域の旬の地魚を毎週お楽しみいただける「くらの逸品シリーズ」を本格導入し、7月から取り扱いを全国に拡大した。また、「かに」「まぐろ」など人気の高い商品を中心としたフェアを展開したことに加え、人気バーチャルライバーグループ「にじさんじ」とのコラボレーションによるグッズプレゼントなどのキャンペーンを実施したことにより、第3四半期連結累計期間における売上高は過去最高となった。

店舗展開では、“ジャパンカルチャー”を世界に発信する「グローバル旗艦店」として、日本国内5店舗目(関西2店舗目)となる、「なんばパークスサウス店」を7月にオープンした。都市部を中心に、急速に回復するインバウンド需要の取り込み強化を図った。いたずら動画等の迷惑行為への対策として、AIカメラによる新システムを開発し、全店での導入を完了した。また、お客が入れ替わるごとに、醤油差しなどの備品も入れ替え、安心、安全に食事ができる環境を整備した。これらの対策を通じ、今後も、寿司が回るエンターテインメント性を守り、回転寿司本来の“楽しさ”を提供する。

米国子会社 Kura Sushi USA,Inc.(KSU)の売上高は181億9200万円(56.7%増)、経常損失1億7900万円となった。米国経済が堅調に推移したことに加え、期初より出店を継続してきたことが奏功し、第3四半期連結会計期間は売上高、収益面ともに好調に推移した。期初からの店舗展開は、2022年11月の全米最大級のショッピングモール「モールオブアメリカ」への出店をはじめ、ジャージーシティ、フィラデルフィア、エジソン、オークブルックテラス、ビューフォードに出店し、第3四半期連結会計期間における経常利益は黒字となった。

アジアの売上高152億500万円(39.4%増)、経常利益は11億1300万円となった。台湾子会社 亞洲藏壽司股份有限公司(KSA)では、新型コロナウイルス感染症による影響は無くなり、消費の回復傾向から売上高は順調に推移した。販促面では、人気キャラクター「リラックマ」とのタイアップや、人気アニメ「鬼滅の刃」のグッズを採用するなどの取り組みを継続した。

また、2023年5月には海外店初となるグローバル旗艦店である「高雄時代大道店」をオープンし、第3四半期連結累計期間の業績は前年同期比増収増益を達成した。上海藏寿餐飲管理有限公司(KSS)では、2023年6月に中国大陸での1号店となる「龍之夢中山公園店」を開店した。内外のメディアにも取り上げられ、話題性とともに営業をスタートした。

通期は、売上高2090億円(14.2%増)、営業利益30億円、経常利益31億円(26.2%増)、親会社に帰属する当期利益11億円(47.7%増)を見込んでいる。

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