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ファーストリテイリング/8月期営業利益28.2%増、海外が大幅増収増益

2023年10月12日 15:34 / 決算

ファーストリテイリングが10月12日に発表した2023年8月期決算によると、売上収益2兆7665億5700万円(前年同期比20.2%増)、営業利益3810億9000万円(28.2%増)、税引前利益4379億1800万円(5.9%増)、親会社に帰属する当期利益2962億2900万円(8.4%増)となった。

ファーストリテイリング

海外ユニクロ事業は、すべてのエリアで大幅な増収増益と好調だった。

連結業績に占める海外ユニクロ事業の売上収益は初めて5割を超え、営業利益に占める割合も約6割まで拡大した。北米、欧州、東南アジアのユニクロ事業は、継続的に顧客層が拡大し、成長ステージに入ったことに加え、グレーターチャイナは下期から業績が回復し、再拡大するフェーズに回帰した。

国内ユニクロ事業の売上収益は8904億円(9.9%増)、営業利益は1178億円(9.2%増)。

既存店売上高(Eコマースを含む)は、通期で7.6%の増収。上期は、気温が低く推移し、ヒートテックインナーなどの冬物商品の販売が好調で、10.0%の大幅な増収となった。下期は、エアリズムインナー、感動ジャケット、タックパンツなどの販売が好調に推移し、同4.7%の増収。通期のEコマース売上高は1338億円、前期比2.3%増、売上構成比は15.0%。

海外ユニクロ事業の当連結会計年度の売上収益は1兆4371億円(28.5%増)、営業利益は2269億円(43.3%増)と、大幅な増収増益を達成し、過去最高の業績となっている。

地域別では、グレーターチャイナの売上収益は6202億円(15.2%増)、営業利益は1043億円(25.0%増)と、大幅な増収増益。グレーターチャイナは、上期は新型コロナウイルス感染症の影響で販売に苦戦したものの、下期は、業績が想定以上に回復し、通期で過去最高の業績を達成した。

韓国と東南アジア・インド・豪州地区の売上収益は4498億円(46.1%増)、営業利益は782億円(36.4%増)と、大幅な増収増益となった。韓国はコア商品の情報発信を強化したことが奏功し、増収増益。東南アジア・インド・豪州地区は大幅な増収増益となっている。

上期は、顧客層が拡大したことに加え、旅行需要が回復してきたことで、コア商品を中心に、大幅な増収増益を達成した。下期は大幅な増収となったが、営業利益は、前年は物流遅延による在庫不足により販促を行えなかった。また、今年は一定の値引き販売を行ったことに加え、インドネシアのセーフガードの影響などで、売上総利益率が低下したことで、若干の減益となった。

北米の売上収益は1639億円(43.7%増)、営業利益は211億円(91.9%増)と大幅な増収増益。戦略的に売り込むべき商品の数量を十分に持ち、情報発信を強化したことで、期を通して好調に推移した。

欧州の売上収益は1913億円(49.1%増)、営業利益は273億円(82.5%増)と、大幅な増収増益。欧州にLifeWearのコンセプトが浸透し、顧客層が拡大したという。

ジーユー事業の当連結会計年度の売上収益は2952億円(20.0%増)、営業利益は261億円(56.8%増)と、大幅な増収増益となった。

品番数を絞り込み、マストレンド商品の数量を戦略的に準備したことが奏功し、期を通して好調だった。特にヘビーウェイトスウェット、スーパーワイドカーゴパンツ、プルオンパンツといった商品の販売が伸びた。

グローバルブランド事業の売上収益は1416億円(15.0%増)、事業利益は5億円の黒字(前期は2億円の赤字)と、前年の赤字から黒字に転じた。営業利益は、30億円の赤字(前期は7億円の赤字)と、赤字幅が拡大したが、これは、コントワー・デ・コトニエ事業で、不採算店舗の閉店による減損損失と事業再編に伴う費用を計上したためとしている。

セオリー事業は、アジア事業と日本事業が牽引し、大幅な増収増益。特に、コア商材を中心に訴求した結果、ジャケット、パンツ、ドレスなど外出需要にマッチした商品の販売が好調だった。プラステ事業は、増収、赤字幅は縮小した。コントワー・デ・コトニエ事業は、減収、赤字幅は拡大した。

なお、設備投資は1020億円、前期比155億円増。内訳は、国内ユニクロ事業が236億円、海外ユニクロ事業が333億円、ジーユー事業が87億円、グローバルブランド事業が18億円、システム他が344億円となっている。出店投資に加え、自動化倉庫への投資を継続して実施している。

次期は、売上収益3兆500億円(10.2%増)、営業利益4500億円(18.1%増)、税引前利益4800億円(9.6%増)、親会社に帰属する当期利益3100億円(4.6%増)を見込んでいる。

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