三越伊勢丹HD/4~9月増収増益、CRM戦略が奏功
2023年11月10日 16:01 / 決算
三越伊勢丹ホールディングスが11月10日に発表した2024年3月期第2四半期決算によると、売上高2485億1800万円(前年同期比11.5%増)、営業利益201億9000万円(125.7%増)、経常利益229億700万円(140.1%増)、親会社に帰属する当期利益148億6500万円(91.3%増)となった。
売上面は高感度上質戦略・個客とつながるCRM戦略が奏功し、増収となった。
利益面でも、百貨店の売り上げが伸び、水光熱費が想定を下回るなど、経費コントロールも実施できていることから、大幅に増益を計上。営業利益、経常利益は統合後の最高益となっている。
百貨店事業の売上高は2085億2600万円(7.5%増)、営業利益は167億8600万円(227.0%増)。
総額売上高は伊勢丹新宿本店は3727億円、銀座店は1027億円で、過去最高を更新した。
9月には、同社が力を入れる「高感度上質戦略」「マスから個へのビジネスモデル転換」の象徴と言える招待会(伊勢丹新宿本店「丹青会」、三越日本橋本店「逸品会」)を開催した。
ラグジュアリーブランドからアート、食品まで幅広いアイテムを強化したことにより、ともに過去最高の売り上げを記録したという。
両本店の招待会では自動車や不動産、楽器など普段は百貨店店頭で取り扱いのない商材の商談も進んだ。
また、エムアイカード会員獲得および三越伊勢丹アプリのダウンロード数拡大などに取り組んだ結果、識別できる顧客(以下:識別顧客)の数は順調に拡大。外商顧客を含めた識別顧客による総額売上高(国内百貨店合計)も前年同期実績を上回った。
訪日外国人顧客によるインバウンド売り上げ拡大においても、両本店の識別顧客による購買シェアは70%水準を維持している。
免税売上高については、訪日外国人顧客のニーズを見越したラグジュアリーブランドのハンドバッグや宝飾品などの高付加価値商品の品ぞろえ強化が奏功した。首都圏の都心店舗だけでなく地域百貨店においてもコロナ禍前の2018年度実績を上回る水準まで回復、第2四半期連結累計期間における国内百貨店合計の免税売上高は過去最高額を更新している。
クレジット・金融・友の会業の売上高は156億7100万円(6.4%増)、営業利益は14億1100万円(18.0%減)。
グループ百貨店の売り上げ回復やグループ外での利用増などによりカード手数料収入が拡大し、増収だった。
一方、将来を見据えた基幹システム更改に伴う減価償却費増などにより、減益を計上している。
不動産業の売上高は110億300万円(21.5%増)、営業利益は12億3700万円(41.3%減)。
グループの保有物件におけるテナントの入れ替えなどにより賃料収入が減収。しかし、建装・デザインやコンストラクションマネジメントなどを手掛ける三越伊勢丹プロパティ・デザインにおいて外部の商業施設やホテル・オフィス関連の施工を中心に売り上げが拡大し、増収増益だった。
通期は、業績が好調なことから、営業利益、経常利益を前回予想時から、それぞれ100億円上方修正した。統合後の最高益を大きく上回る予想となっている。
売上高5250億円(7.7%増)、営業利益480億円(62.1%増)、経常利益500億円(66.6%増)、親会社に帰属する当期利益370億円(14.3%増)を見込んでいる。
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