吉野家HD 決算/3~11月は9%増収も、米国の時給増などの影響で営業利益7%減
2025年01月14日 14:39 / 決算
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吉野家ホールディングスが1月10日に発表した2025年2月期第3四半期決算によると、売上高1517億5100万円(前年同期比9.3%増)、営業利益56億7500万円(7.0%減)、経常利益62億5600万円(4.8%減)、親会社に帰属する当期利益33億3100万円(23.2%減)となった。
売上高は全セグメントで増収。営業利益はアメリカの最低時給の増加やM&A費用などの影響で減益となった。
既存事業の業態進化の取り組みとして、吉野家は既存店舗の積極的なクッキング&コンフォートへの改装、はなまるは商品の磨き込み(天ぷら粉の改良など)を継続して実施しているほか、「吉野家」「はなまる」店舗でクレジットカード端末の導入など、店舗運営のシステム化を積極的に行っている。
成長事業と位置付けている海外では、アメリカと中国ともに価格戦略、メニュー構成の見直しを継続して実施。
これらの結果、全社既存店売上高は5.9%増となった。内訳は吉野家7.7%増、はなまる9.2%増、海外4.6%減(現地通貨ベース)。
成長事業の強化として、今後の事業ポートフォリオ戦略ではラーメン事業を次なる柱と位置付け、ラーメン店向けの麺、スープ、タレなどの商材の開発、製造、販売を行っている宝産業の株式を取得し子会社化した。
セグメント別で見ると、「吉野家」事業は、37店舗をオープン、17店舗を閉店し、総店舗数は1249店舗となった。秋には「牛オム黒カレー・牛オムハヤシライス」「牛すき鍋膳・牛カレー鍋膳」などを販売。販売施策として「テイクアウト2つ以上で10%オフ」「吉野家×パワスピ」「秋の牛丼祭(100円引き)」「牛すき祭」などのキャンペーンを展開した。
同事業の売上高は1021億900万円(9.2%増)。一方、人材確保と定着を目的とした賃上げや店舗の時給改定などにより、利益は57億900万円(2.8%減)となった。
「はなまる」事業では、10店舗をオープン、10店舗を閉店し、総店舗数は418店舗となった。商品施策として「3種・4種薬味豚しゃぶうどん」「生姜鶏ねぎ塩うどん、ゆず生姜鶏ねぎ塩うどん」を販売。来店頻度向上を目指し「天ぷら定期券」「あすトククーポン」を実施した。売上高は231億9000万円(5.8%増)、利益は18億4100万円(27.7%増)となった。
「海外」事業では、67店舗をオープン、77店舗を閉店し、総店舗数は984店舗となった。既存店売上高は、アメリカが3.0%減、中国が8.8%減、その他アセアン地区が5.2%減だった。売上高は為替の影響により211億2700万円(4.7%増)、利益は人件費を中心としたコスト上昇により11億4900万円(34.9%減)となった。
通期は、売上高2030億円(8.3%増)、営業利益70億円(12.2%減)、経常利益74億円(14.0%減)、親会社に帰属する当期利益41億円(26.8%減)を見込んでいる。
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