吉野家HD 決算/3~8月営業利益6.9%減、人件費中心にコスト上昇
2024年10月09日 17:51 / 決算
吉野家ホールディングスが10月9日に発表した2025年2月期第2四半期(中間期)決算によると、売上高993億1300万円(前年同期比8.4%増)、営業利益37億1300万円(6.9%減)、経常利益39億6800万円(8.7%減)、親会社に帰属する当期利益22億1300万円(23.1%減)となった。
吉野家の店舗数は、22店舗の出店、12店舗の閉店を実施し1239店舗となっている。このうち、転換を進めている新サービスモデルの店舗数は48店舗増加し460店舗になった。テークアウト・デリバリー専門店は6店舗増加し43店舗となっている。
セグメント売上高は663億9400万円(8.0%増)、セグメント利益は賃上げや店舗の時給改定など人件費を中心としたコスト上昇により32億2200万円(8.3%減)となった。
夏季期間は商品施策として「牛皿麦とろ御膳、牛麦とろ丼」「牛たん・牛皿御膳」「オーストリッチ丼」等を販売し、販売施策としては夏休み期間中の「お子様割」、「吉野家×星のカービィ」のコラボキャンペーンを行った。人件費、原材料費を中心としたコスト上昇を鑑みて7月29日に価格改定している。
第76回ジャパン・フード・セレクションでは、吉野家の「から揚げ」が最高評価のグランプリを受賞。外販事業では、「冷凍うなぎ蒲焼き」「常温非常食用セット」の販売と量販店への拡販強化を行った。
はなまるの店舗数は、6店舗の出店、5店舗の閉店を実施し419店舗となった。セグメント利益は、人件費を中心としたコスト上昇はあるものの、増収により吸収し14億9700万円(22.5%増)となっている。
夏季期間は、商品施策として「柴漬鬼おろしぶっかけ、柚子鬼おろしぶっかけ」「白ごま担々、サラダ担々、海老担々」を販売。販促では、来店頻度の向上を目指し「あすトククーポン」を実施した。
海外の店舗数は、50店舗の出店、39店舗の閉店を実施し1005店舗となる。セグメント売上高は、為替などの影響で140億8900万円(7.7%増)。セグメント利益は、人件費を中心としたコスト上昇等の影響で9億1400万円(17.1%減)となっている。
エリア別概況は、アメリカの既存店売上高は2.5%減、中国は10.0%減、その他アセアン地区は5.5%減、海外合計は4.0%減(現地通貨ベース)となった。
特に米国(カリフォルニア州)は、ファストフード店の最低時給が20ドルに改定されたことを受け、4月1日より価格改定を行った結果、吉野家HDのみならず外食市場全体で影響を受けている。中国でも、経済不況が外食産業で大きく影響を受けた。このような状況に対して、米国・中国で低価格セットや新商品を導入し打開を図っている。
期末店舗数は、国内31店、海外50店を出店した結果、グループの店舗数は2786店舗(国内1781店、海外1005店)となった。
既存事業の取組として、吉野家は既存店舗の積極的なクッキング&コンフォート改装、はなまるは商品の磨き込み(てんぷら粉の改良など)を継続して行っている。また、「吉野家」「はなまる」ともに商品・接客コンテストを行いサービス力の強化に努め、料理そのものの価値だけでなく飲食空間としての価値の向上に注力。クレジットカード端末の導入など、店舗運営のシステム化も推進している。
成長事業と位置付けている海外では、アメリカ、中国ともに現地経済の影響を受けたが、価格戦略、メニュー構成の見直しなどに継続して取り組む。これらの施策の効果により全社既存店売上高は5.5%増(内訳:吉野家6.9%増、はなまる9.3%増、海外4.0%減※現地通貨ベース)となった。
また、新規事業として、オーストリッチ(ダチョウ)に関する事業を100%子会社のSPEEDIAで開始。8月にオーストリッチミートを用いた「第4の肉」となる商品を店舗・期間限定で販売した。
通期は、売上高2030億円(8.3%増)、営業利益70億円(12.2%減)、経常利益74億円(14.0%減)、親会社に帰属する当期利益41億円(26.8%減)を見込んでいる。
■吉野家の関連記事
吉野家HD/ダチョウを活用したスキンケア・食肉事業を開始
流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。