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Uber Eats/コンビニ、スーパー、ドラッグなど「New Vertical事業」の挑戦

2021年12月03日 16:00 / 流通最前線トレンド&マーケティング

コロナ禍でフードデリバリー業界は大きく成長している。今年で日本上陸5周年を迎えたUber Eatsは、国内の登録店舗数が13万店舗まで拡大し、レストランのみならず、同社がコンビニエンスストア、スーパー、ドラッグストアなど「New Verticals」と位置付けている分野の開拓を強化している。迅速な配送で生活者のニーズに応え、サービス分野の拡大を推進する同社のユリア ブロヴキナNew Verticals事業部門ゼネラルマネージャーに、今後の成長戦略を聞いた。

Uber Eatsコンビニ、スーパー、ドラッグなど「New Vertical事業」の挑戦

コロナ禍で急成長したNew Verticals事業

――日本事業はコロナ禍の追い風もあり順調に成長していますね。

ユリア Uber Eats Japanは、2016年9月29日に、世界で8番目の国として、東京の一部地域(渋谷・恵比寿、青山・赤坂、六本木・麻布エリア)の約150のレストランパートナーとともに事業をスタートしました。現在、北海道から沖縄まで、全国47都道府県でサービスを提供できるようになりました。登録店舗数は13万店舗を超え、稼働いただいている配達パートナーも10万人まで拡大しています。そして、レストランの料理はもちろん、OTC医薬品、日用品、電化製品までも注文することができる「New Verticals事業」の需要が伸びています。

<世界8番目の国として2016年サービス開始>
Uber Eatsコロナ禍で急成長したNew Verticals事業

――「New Verticals事業」の概要について教えてください。

ユリア 非レストランのデリバリーを担当する事業になります。急速に拡大していまして、これは生活者がその利便性に注目しているおかげだと思っております。そして、コロナ禍によってより加速化しました。同時に社会のニーズがここ数年急速に高まっているということも感じています。2021年上半期において、スーパーの注文が前年同期比2.5倍と拡大しています。これは、デリバリーのスピード、つまり、平均して30分以内にデリバリーを完了することができているという点が、Uber Eatsの優位性として消費者に認識されていることを示しているとも考えています。

――どのような場合に食品・日用品が注文されているのでしょうか。

ユリア 例えば、今すぐ必要だけれども買物に行く時間がないというようなとき、あるいは料理をし始めて急にこの材料が足りないと思ったときですね。また、病気などでちょっと気分が悪くて外になかなか出掛けられない、あるいはパーティーを開いていて最後になって足りないものがあるというようなとき、急に家族や同僚に何かプレゼントを贈らないといけないのに忘れていたというようなときです。今年になって日用品のデリバリーに参入しまして、コンビニエンスストア、酒類にも拡大しております。

そして、今年11月からは、クスリのアオキと連携し、ドラッグストアからのデリバリーにも着手しました。ドラッグストアとの連携は今後拡大していく方針です。12月のホリデーシーズンを前に、日比谷花壇との提携により、生花のデリバリーもスタートしました。スーパー、コンビニ、電化製品、アルコール類、プレゼント需要など「New Verticals事業」の対象は拡大しています。

<コンビニからデザートや市販薬など配送>
コンビニからデザートや市販薬など配送

スーパー、コンビニ、酒販店の需要が拡大

――どのようなスーパーと提携しているのでしょうか。

ユリア 直近では、11月末から西友三軒茶屋店からの配送が開始しました。生鮮食品含め約1000品目以上の品ぞろえの中から注文できます。そのほか、首都圏では成城石井、ビオセボン、近畿は光洋、中部ではマックスバリュ東海などで当社のサービスが利用できます。肉など生鮮食品、乳製品、酒類などを平均30分以内でお届けできます。

――家飲み需要で酒類の配送が増えているのでしょうか。

ユリア アルコール類のセグメントの売上はかなり急速に拡大しています。今年になって、酒類販売店については、多く主要なパートナーと契約を締結しました。カクヤス、リカーマウンテン、エノテカ、イオンリカーも参入しています。現在、全国で計100店舗以上の酒類販売店が、当社のプラットホーム上で営業しています。

コロナ禍による緊急事態宣言などで、長い間レストランでアルコールが飲めないという状況が続きましたし、もともとレストランのデリバリーを補完するような形でアルコールの需要が増えたと思います。単身者の缶チューハイ1本という注文から、高級品まで幅広く取り扱っています。この5年間の高額注文の中には、ワインショップ・エノテカ エノテカ&バー 表参道ヒルズ店(東京)から2012年ヴィンテージのシャトー・ムートン・ロスチャイルドなどの高級ワインのオーダーもありました。注文者のニーズに応じ、さまざまなシーンで利用されています。

――コンビニとの連携について教えてください。

ユリア コンビニエンスストアの最大のパートナーは、ローソンです。2019年からパートナーシップを組み、現在、ナチュラルローソン、それからローソン100を含めて約2000店舗からの配送が可能です。コンビニからは飲料やデザートだけでなく、OTC薬品も注文できます。この成功を受けて、今後Uber Eatsにおける全国のローソンの店舗数は約3000店舗まで拡大する予定です。利用者の年代、性別は幅広くなっています。単身者だけでなく、最近はファミリーの利用も進んでいます。例えばレストランのデリバリーの利用と比べると、コンビニは早朝や深夜も営業していますので、そういった時間帯に利用される方が多いですね。

>>次ページ コンビニやスーパーでなぜUberが選ばれるのか

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