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Uber Eats/コンビニ、スーパー、ドラッグなど「New Vertical事業」の挑戦

2021年12月03日 16:00 / 流通最前線トレンド&マーケティング

迅速な配送が生活者の需要にマッチ

<サブスクも好調に伸長とユリア氏>
Uber Eatsサブスクも好調に伸長とユリア氏

――食品の注文などネットスーパーではなく、なぜUber Eatsが選ばれるのでしょうか。

ユリア 日本において、ネットスーパーがもともとすでに当日配達、翌日配達を実現していたのを、さらに私どもUberの配達によって数時間、速いところだと数十分で配達できる点が、非常に大きいと思います。サブスクリプション(定額)サービス 「Eats パス」を2020年8月5日に開始し、さらにお得に利用できるようにもなりました。月額980円で、登録いただくと1200円を超える注文の配送手数料が常に、何度でも0円になります。さらにお得な「Eats パス」年間プランも提供しています。時間、配送料など顧客利便性が高く、生活者のニーズに合っているからこそ、利用が増えていると思います。食品以外の配送需要を取り込むなど積極的にNew Verticals事業を盛り上げていきます。

――ドラッグストア、家電量販店からの配送も実施していますね。

ユリア 11月からクスリのアオキとの連携を開始しました。ドラッグストアは薬や日用品というだけではなくて食品の扱いも増えおり、ラインアップが豊富です。幅広く生活者に便利な商品を届けたいという私どものサービスとの親和性が非常に高いです。おむつといったベビー商品など、忙しい両親の「今すぐほしい」という需要にも応えられます。ドラッグストアとの連携は、都市部も郊外も含めて全国で考えていきたいです。

また、ホリデーシーズンを前に、日比谷花壇との提携で生花の配送も始まりました。ほかにも、今年取り扱いを開始したジョンマスターオーガニックなどもあり、プレゼント需要の取り込みを期待しています。現在、ジョンマスターオーガニックもかなり注文が増えていまして、プレゼント需要だけでなくて、セルフケア需要も好調です。そのほか、名古屋三越、東武ストアからの弁当・日用品のデリバリー、ゴディバのチョコレートの配送も伸長しています。

エディオンとは今年3月から取り組みを開始しました。「今すぐほしい」「プレゼントを贈りたい」というニーズに対応しています。一番人気がある商品は、電球です。そのほか、電動歯ブラシなど日常生活で使う小型電気製品の注文が多いですね。注文があれば、大型の家電も当社の配達パートナーには車両の方もいますので、対応できます。Uber Eatsを利用した家電の販売・配送は国内初の取り組みです。

ECの配送業務の受託も日本で検討

――海外と日本では事業展開に違いはありますか。

ユリア もちろん海外でもスーパーからの配達もあります。しかし、海外ではApple製品の配達、アディダスなどのアパレルのデリバリーも行っていますので、ECと連携し、ありとあらゆるものをデリバリーできるという意味では、現在は海外のほうが配送の対象が幅広い印象です。

――海外のようにECの配送を日本でも開始しますか。

ユリア ECの配送を請け負う新たなビジネスモデル「Uber Direct」は、すでにアメリカ、イギリス、フランス、台湾、オーストラリアで去年から開始しています。このサービスは、さまざまな店やブランドがその自社のウェブサイト、アプリでさまざまな商品を販売する際、配送手段としてUber Directを活用することによって、Uberのロジスティクスのネットワークを活用して顧客に届けることができるというサービスです。これによって参加する小売店やメーカーの方々はデリバリーの効率を向上させることができますし、またより多くの顧客の「すぐほしい」というデリバリーのニーズに応えることができると思っています。日本でも、このようなロジスティクスのネットワークを将来的に提供することができればと考えています。

――物流基盤としての役割を推進するには配送パートナーの安全対策も重要ですね。

ユリア 配送パートナーに、とにかく安全に配達の仕事を全うしていただけるような環境を提供することが重要です。こうした安全に関わる環境整備は、私どものすべての取り組みの中でも最優先事項となっております。当社の安全プログラムの例として、さまざまな地域で地元の警察と連携して配達パートナー向けの安全イベントを開催したりしていますし、またUber Eatsのドライバーアプリに、交通安全チェックリストという機能も搭載しました。これは配達パートナーが、自分たちのアプリで、交通ルールについて配送に行く前に必ずチェックするという機能です。これを確認して始めて、配達リクエストを受けられる状態になります。

<明るいグリーン色の新バッグ>
明るいグリーンの新バッグ

またそれ以外に、保険のプログラムも拡大しています。配達パートナー自身の万一のけがを補償するプログラムが2019年から導入され、2020年にはその補償内容がアップグレードされました。ほかにも、夜間でもよく見えるように明るいグリーン色の配達用バッグを、バッグのラインナップに追加したりしています。

――最後に日本のユーザーにメッセージをお願いします。

ユリア Uber Eatsはいつも生活者のそばにいて、皆さまの日々の生活をより良くするお手伝いをしたいと思っています。コロナ禍で、多くの方々がストレスにさらされた日々の生活を送っていらっしゃると思います。仕事、家事、育児など忙しい方も多いと思いますので、レストランの幅広いセレクション、またNew Verticalの分野でも、消費者のあらゆるシーンに対応できるよう新しいセレクションの拡充に努めていきます。生活者の期待に応え続けるプラットホームとして、さらに成長したいと思っています。

<信頼性の高いデリバリーを実現とユリア氏>

■ユリア ブロヴキナ氏プロフィール
ロシアのキロフで生まれ、2009年にモスクワの国立大学でコンピューターサイエンスの学位を取得した後、2011年に来日。eラーニングのスタートアップ会社にてEdTechのエンジニアとして活躍し、その後、広告におけるテクノロジーソリューションを提供するCriteoにて、AdTechのデータアナリストとしてキャリアを積む。2018年4月にUberに入社。2021年2月にNew Vertical 事業部門 ゼネラルマネージャー就任。日本のスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどのニューバーティカル領域(レストラン以外の新規領域)における事業を統括している。

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