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日立LGデータストレージ/光ディスクドライブで培った技術を流通の省力・省人化に

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日立製作所が実証実験を行っている、小型無人店舗「CO-URIBA(コウリバ)」。生体情報とクレジットカード情報をあらかじめ登録しておくことで、利用時に生体情報で本人認証でき、商品を手に取って店舗エリアから離れるだけで自動精算するCO-URIBAには、日立LGデータストレージの3D LiDARセンサーや、AIインタラクティブディスプレーが採用されている。山崎 武 常務 CSO 経営戦略本部長に同社のリテール向けソリューションについて聞いた。

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光ディスクドライブの技術をセンサーに生かす

――日立LGデータストレージの事業概要を教えてください。

山崎 当社は2000年に日立製作所と韓国のLGエレクトロニクスによって設立されたジョイントベンチャーです。持ち株比率は日立が51%、LG49%で、日立製作所の連結子会社です。事業としては、PC用光ディスクドライブ、光ピックアップユニット、各種光技術応用製品、ワイヤレス充電ユニットを主要事業としています。光ディスクドライブは、創業以来世界シェアNo.1を維持しています。

今特に好調なのがワイヤレス充電ユニットです。スマートフォンの普及とともに伸びています。車に設置するタイプのワイヤレス充電ユニットはかなりの勢いです。

リテール向けソリューションとして、センサーやAIインタラクティブディスプレー、またこれらを組み合わせた「スマートストアソリューション」を提供しています。こちらは立ち上げたばかりですのでまだこれからですが、注力事業の一つになっています。

――PC用の光ディスクドライブシェア世界No.1の企業が今、リテール部門に注力しているのはどのような経緯からですか。

山崎 タブレットや薄型PCが主流となってきた近年、光ディスクドライブの需要は急速に落ち込んでいます。動画や音楽の配信サービスの普及も加速し、CD、DVDを使ったことのない若者も増えています。そこで光の技術やアクチュエーターを動かす機構の技術、モーターを扱う電磁的な技術、それらを制御するためのソフトウエア技術など、光ディスクドライブで培ったさまざまな技術を応用し、何か新しい主力製品をと模索した結果、3D LiDAR(スリーディー ライダー)センサーをはじめとするセンサー類の開発に至りました。これが2014年頃の話です。

当社が開発した3D LiDARセンサーは、人の動線データを取得することができます。これまで店舗内では、顧客の行動を把握することはできませんでした。顧客がどこに多く集中するのか、どのように店内を歩くのかを把握することができれば、マーケティング分析に役立つのではないかと考え、リテール部門への注力を始めました。

――3D LiDARセンサーとはどのようなものですか。

山崎 赤外線レーザー光を照射し、反射光が戻ってくるまでの時間を計測することで距離を計算するTOF(time-of-flight)モーションセンサーです。3D情報を高精度に検出するため、複数物体の複雑な動きの検知・認識、その追跡を実現できます。

CO-URIBAの実証実験では、上部に当社の3D LiDARセンサーを設置して、1台で顧客の位置を、もう1台で顧客が商品に手を伸ばしたことを検知します。顧客が複数人でもそのうちの誰が手を伸ばしたのか、あるいは一度手に取った商品を棚に戻した場合でもキャンセルと判別します。

<CO-URIBA設置イメージ>
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CO-URIBAの場合は、棚の重量センサーとの組み合わせで、手に取った商品を認識します。棚の四隅に重量センサーを置いて、荷重、バランスから商品を特定できます。商品ごとに重量センサーをいくつも置くのではないため、棚にさまざまな商品を並べることができます。棚割りが自由にできますので、これは大きなメリットだと思います。

──引き合いはいかがですか。

山崎 おかげさまで3D LiDARセンサーは国内だけでなく、イギリスのHome Bargainsなど、海外のリテールでも幅広く採用されています。多くの店舗で利用され、そこで得た実績とデータをもとに、検知の精度を向上しており、無人店舗への技術提供を可能にしています。

無人店舗に関する引き合いも非常に多いですね。リテール関係からはもちろんですが、ビルのオーナーやデベロッパーからの問い合わせも多いです。

――ビルのオーナーですか。

山崎 CO-URIBAの「CO」には、人が集まるという意味もあります。CO-URIBAを置くことでコミュニケーションを図る場に、そして価値を高めるために置きたいという問い合わせも多いと聞いています。
無人店舗はあくまでイメージですが、無機質で冷たい感じがしますよね。無人店舗で商品を売ろうというより、そこに価値を生み出そうというものです。例えば福利厚生として置くとか、プレゼント機能を付けるとか、そういったことも可能です。

無人店舗のソリューションはすでに各社から提供がスタートしており、日立グループは若干後発になります。同じように無人で、という売り方では面白くありません。無人でモノが売れますよ、というだけでなく、新しい価値を提供していきたいと考えています。

>>>次ページ ジョイントベンチャーだからこその優位性生かす

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