東武鉄道×日立/生体認証サービス「SAKULaLa」顔認証で施設の入退管理等も可能に

2025年11月13日 15:49 / IT・システム

東武鉄道と日立製作所は11月13日、両社が提供する生体認証サービス「SAKULaLa(サクララ)」を、鉄道改札や入退管理など多様なシーンに拡大すると発表した。

<サービス連携イメージ>
SAKUlala

SAKULaLaは、利用者がスマートフォンやICカードなどを用いることなく、デジタル空間上に保存されている個人の属性情報(デジタルアイデンティティ)に、生体認証を活用して安全にアクセスできるようにするサービス。業種を横断して決済・ポイント付与などの手続きをワンストップで実現する。

これまで東武と日立は、店舗のセルフレジやホテルセルフチェックインによる労働力不足の解消など社会課題の解決に取り組んできた。

今回、従来の指静脈認証に加えて「顔認証」を新たに追加。移動や入退室など日常生活のさまざまなシーンでの利用が可能となり、安心・快適な手ぶら社会の実現に向けて大きく前進するという。

<顔情報登録の流れ>
SAKUlala

顔情報の登録は、自身のスマートフォンを用いてSAKULaLaのマイページ上で顔写真を撮影するだけ。いつでもどこでも簡単にできる。

「指静脈」と「顔」の複数の生体認証を同一プラットフォーム上で提供する国内初のサービスとして、今後、企業や自治体などとの連携をさらに促進し、利用者の生活を豊かにする新しい価値の創出を目指す。

<東武宇都宮線の改札で利用開始>
SAKUlala

SAKULaLaの顔認証活用の第一弾として、同日13時より、東武宇都宮線の改札での利用を開始。東武宇都宮駅~栃木駅の12駅で、改札に顔認証できる独立型のタブレットを設置した。対象区間の定期券保持者は、必要情報を登録すれば顔認証で改札を通過できる。なお、撮影された顔画像は保存されない。認証後、即時削除される。

今後は、オムロンソーシアルソリューションズ、日本信号、東芝、パナソニック コネクトと連携し、他の鉄道会社でも活用できる汎用性の高いシステム構築を進めていく。2026年春以降には、一部の駅にカメラ内蔵型の自動改札機を設置し、顔認証によるスムーズな改札通過が可能になる予定だ。

<店舗決済>
SAKUlala

店舗決済の連携先も拡大。国内の決済端末設置数の約50%を占める決済端末「JET-S シリーズ」との顔認証連携を2026年度より順次開始する。これにより、JET-S端末を設置している商業施設やホテルなどの加盟店では、SAKULaLaのアプリケーションをインストールすることで顔認証決済を簡単に導入できるという。

併せて、さらなるキャッシュレス推進を目的に、東武と日立は、ジェーシービーとSAKULaLaの加盟店拡大に向けて協力していくことで合意した。今後は、JCB加盟店を中心に、SAKULaLaを通じた決済の普及を促進する。

<入退管理システムとも連携>
SAKUlala

加えて、入退管理システムとも連携する予定。オフィスやスポーツクラブなどでセキュリティカードをかざすことなく、生体認証で入退室できるようになる。入退管理の最初の事例として、2026年春を目途に東武鉄道のオフィス入退館でSAKULaLaを活用する予定だという。

■各社の主な役割

企業 役割
東武 SAKULaLaの共同運営・開発(顧客体験の設計)、東武グループ施設での
先行導入およびSAKULaLa運用ノウハウの提供
日立 SAKULaLaの共同運営・開発(システム開発)、クラウド型の生体認証基盤
(PBI)の提供、生体認証が利用可能な端末の開発・提供
JCB キャッシュレス決済に関する知見の提供と、JCB加盟店に向けたSAKULaLaの
導入協力
オムロンソーシアルソリューションズ 顔認証に対応した自動改札機の開発・設置・運用
日本信号
東芝
パナソニック コネクト SAKULaLaへの顔認証技術の提供、各改札機とSAKULaLaの接続
連携開発

東武鉄道×日立/手ぶら決済できる生体認証サービス、越谷・川越20店舗で1/15導入

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