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あきんどスシロー/世界の海から、いいネタ100円 PROJECT

2016年11月30日 22:30 / 商品経営

あきんどスシローは11月30日、「世界の海からいいネタ100円 PROJECT」を開始した。

<プロジェクトを発表する水留社長CEO>
プロジェクトを発表する水留社長CEO

世界の海から仕入れた極上のこだわりネタを100円(税別)で展開する企画で、海外産地の現場に踏み込み商品を調達した。

水留浩一社長は「当社では100円のほか、180円、280円といった商品も展開しているが、100円という価格にこだわるお客さまも多い。一人でも多くの方にいい寿司を食べていただくために、このプロジェクトを開始した」

「総店舗数が500店に近づく中で、安定的に高品質な商品を提供するために、海外の産地開拓も重要となっている。世界の海を打ち出すことで、海外からの商品調達体制の見直し、品質向上を目指す」とプロジェクトの狙いを解説した。

<濃厚うに包み>
濃厚うに包み

第1弾の商品は、チリ産のうにを使用した「濃厚うに包み(一貫)」で11月30日から数量限定で販売する。

<堀江商品本部長>
堀江商品本部長

商品調達を担当した堀江陽執行役員商品本部長は、「チリは世界一のうにの産地でありながら、現地の人がうにを食べないため、うにの加工工程が雑といった課題があった。食べることを前提に、選別、むき身、最終製品化までの過程を見直したことで、ロスが削減され、品質も向上し100円という価格を実現した」と商品を説明した。

スシローの1日の来店客数は約30万人で、期間限定とはいえ、全店に供給する数量の確保に苦心したという。

<生キングサーモン>
生キングサーモン

第2弾は1月中旬から、ニュージランド産の「生キングサーモン(一貫)」を販売。これまでノルウェー産のアトランティックサーモンを使用しているが、今回、よりおいしいサーモンを求めて産地を見直した。

世界のサーモンの年間生産量120万トンのうち、6000トンしか生産されないニュージランド産に着目。ノルウェーよりものより自然に近い状態で養殖することで、アトランティックサーモンよりも20%脂ののりが良いサーモンに仕上がっているという。

<天然黒まぐろ赤身>
天然黒まぐろ赤身

第3弾は2月下旬から、アイルランド産の「天然黒まぐろ赤身(一貫)」を販売する。市場で大きなシェアを占める太平洋産ではなく、大西洋産のまぐろを導入。まぐろ1本を丸ごと仕入れ、中トロは180円、大トロは280円で販売することで、赤身100円という価格設定を実現したという。

企画自体は新しい打ち出しではないが、堀江商品部長は「食べてもらうことが一番の差別化。実際に、スシローの寿司を食べてもらえば違いが分かる」と商品を紹介した。

100円という価格にこだわった理由について、水留社長は「180円、280円といった商品の売れ行きや客単価に特に動きはない。うまいすしを、腹一杯。という経営理念からも100円という価格設定にした」と述べ、デフレとの関連は否定した。

スシローの海外からの調達比率は、現在70%~80%で推移している。

水留社長は「海外からの調達比率を上げる目標はない。タイ、ハマチなどの鮮魚は引き続き国内産地の開拓を調達を継続する。このプロジェクトを通じて、海外の産地まで自ら足を踏み入れた商品調達の仕組みをすすめ、商品の品質向上を目指していく」と述べた。

堀江商品部長は「日本国内の産地はかなり踏み込んだ形でスシロースペックの素材の調達を進めてきた。海外は、国内ほど産地に踏み込んだ取り組みができていない。チリ産のうになど、長年仕入れ担当をしていても実際に産地いったことがない素材も数多くある。新プロジェクトを通じて、さらに品質のよい素材をお客さんに紹介していきたい」と語った。

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