ベーカリー市場/高級食パン専門店が成長、市場全体はダウン
2019年05月27日 16:05 / 商品
TPCマーケティングリサーチは5月24日、「ベーカリーチェーン」についての調査結果を発表した。
2017年度のベーカリー市場は、前年比2.1%減の4756億円となった。
同市場は、節約志向の強い消費者による流通パンへの需要のシフトや人手不足を背景に、2010年度比13.7%減と苦戦が続いている。
一方で、ご褒美・手土産・ギフト需要により、高級食パン専門店が注目を集めている。
種類別でみると、2017年度は食パンが構成比25.8%の1226億で最大となった。
次いで、デニッシュパンが19.3%の920億円、食事パンが19.0%の904億円、菓子パンが18.1%の860 億円、その他パンが17.8%の846億円で続いている。
食パンは、前年比0.1%増で、唯一前年実績を上回った。
近年は、パンの種類の多様化などから食パン離れが進んでいたが、ここ数年で「高級食パン」の専門店が増加し、食パンに再び注目が集まっている。
高級食パンは、日常的に食するものとしては高級ながら、ご褒美需要などのプチ贅沢ニーズに対応しているほか、手土産やギフト商品としての需要も取り込んでいる。
企業別でみると、2017年度はマーメイドベーカリーパートナーズがシェア7.5%の357億円でトップとなった。
次いで、フジパンストアーが6.6%の316億円、ドンクが5.8%の274億円、アンデルセンが3.3%の 158億円などで続いている。
マーメイドベーカリーパートナーズは、4.0%減となった。要因としては、店舗数の減少や他社との競合等が挙げられる。
フジパンストアーは、5.0%減となった。同社は主力商品を中心に販売強化を図ったが、素材にこだわった他社製品が多数発売されたことによる競合激化を受け、ダウン推移となっている。
ドンクは、3.9%減となった。要因としては、都市圏を中心に増加している専門性を追求したこだわりのベーカリーとの競合が激化していることが挙げられる。
このため、同社では、立地や客層のニーズに沿った商品を展開する店舗の出店を強化し、こうした状況に対応している。
アンデルセンは、7.6%減となった。同社のベーカリー店舗は、年々減少傾向にあり、ベーカリー売上高はダウン推移が続いている。ただし、店舗における販促活動やキャンペーン等を積極的に行うことで、一店舗あたりの売上は安定して推移している。
ポンパドウルは、5.6%減となった。同社は2015年以降、人手不足の影響や他社との競合により、ベーカリー売上高が減少傾向にある。2017年度および2018年度についても、苦戦が続いている。
ヴィ・ド・フランスは、3.7%減となった。2017年度は、他社との競合により伸び悩んだものの、2018年度は0.8%増の132億円となり、微増ながら前年売上をクリアしている。
これは、POSデータをもとに、顧客ニーズに合った品揃えができる仕組みを構築したことが奏功したためだという。
このほか、ここ数年で急激に売上を伸ばしている企業としては、近年のトレンドである高級食パンブームの火付け役となったCrustホールディングス(旧・乃が美ホールディングス)が挙げられる。
同社は、2015年に店舗を立ち上げてから約3年で100店舗以上を出店し、2017年度には99.5億円を売り上げている。
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