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メルシャン/2021年は5%減の613万箱目標、ワインの間口拡大に注力

2021年01月19日 16:00 / 商品

メルシャンは1月18日、2021年の販売目標としてワイン合計で613万箱(1箱720ml×12本換算:前年同比5%減)を目指すと発表した。

内訳は、国内製造ワイン366万箱(2%増)、輸入ワイン247万箱(13%減)。なお、メルシャンでは2021年のワイン市場全体は5%減、国内製造ワイン3%減、輸入ワイン6%減と推計している。

主なブランド別の販売目標は、「シャトー・メルシャン」6万3000箱(20%増)、「酸化防止剤・無添加ワイン」159万箱(横ばい)、「フロンテラ」61万箱(3%減)、「カジュアルスパークリング」26万箱(約2倍)、「オーガニックワイン」18万箱(約2倍)とした。

<長林社長>
長林社長

長林道生社長は、「2021年は、もう一度『ワインのおいしい未来をつくる。』というメルシャンのビジョンに立ち返り、果敢なチャレンジでワインの魅力を伝達する。ワインファン、メルシャンファンを増やす取り組みを加速する」と述べた。

その上で、「今年も不安な状況が続くと予想され、人と人との温もり、つながり、絆が求められる時代となる。もう一度、ワインの原点に立ち返りたい。ワインには、マリアージュという言葉があるが、私たち作り手の想い、お客様の想いを掛け合わせることで、新たなストーリーを生み出すこともできる。また、音楽や芸術と同じように言語を超えた共感を作ることができるのではないかと思う。その中で、社員も自分たちの存在価値を感じられる。こういったCSVの観点から、環境、地域社会・コミュニティ、酒類メーカーとしての責任をより強く発揮していきたい」と述べた。

2021年もワイン市場の間口拡大と親しまれるブランド育成に取り組み、業界をけん引していきたいという。

■2020年はコロナ禍で家庭用中心の国内製造ワインが堅調

2020年はコロナ禍におけるニューノーマルな生活に合わせて、ワイン市場全体が変化した年となった。業務用市場は大きな打撃となったが、その分、家庭用(量販)市場は伸長した。

メルシャンが推計したワイン市場全体の増減は10%減、内訳は国内製造ワイン市場が横ばい、輸入ワイン市場13%減となっている。量販市場が伸長したものの、業務用市場の落ち込みをカバーできなかったとみている。

コロナ禍で見られたプラスの側面として、若年層である20代での「間口拡大」がある。ワインも家飲みにシフトしたことを受け、20代男性・20代女性のワイン購入率が、それぞれ24%、23%と拡大し、ワインを購入する世代の拡大がみられた。

選ばれているのは、手頃な800円未満のスパークリングワインやオーガニックワインだった。799円以下の家庭用スパークリングワインは17%増、オーガニックワインは12%増となった。

2020年は、オンラインを活用した顧客とのコミュニケーションを積極的に展開した。インスタライブは合計14回開催し、海外ワイナリーとメッセージ交換やインスタグラム投稿キャンペーンを実施した。

そのほか、国内最大級のオンラインのワインフェスティバルとして「シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリーフェスティバル」を開催し、2日間で約4900人が参加した。

それらの活動の結果、2020年はワイン合計643万箱(3%減)、内訳は国内製造ワイン358万箱(2%増)、輸入ワイン285万箱(9%減)となった。

主なブランド別では、「シャトー・メルシャン」5万3000箱(7%増)、「酸化防止剤無添加無添加ワイン」161万箱(6%増)、「カジュアルスパークリング」13万箱(61%増)、「オーガニックワイン」8万5000箱(87%増)、輸入ワインの「フロンテラ」は過去最高の販売数量となる62万箱(3%増)となった。

業務用を中心に輸入ワイン市場が厳しい中、業界をけん引する実績を残したという。

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