ニトリ 新商品/価格10万円以下・コンパクトサイズの「ドラム式洗濯乾燥機」発売
2024年11月22日 13:15 / 商品
ニトリは11月22日、全国のニトリ店舗・ニトリネットで「ドラム式洗濯乾燥機」(税込9万9900円、標準洗濯容量10kg/標準乾燥容量5kg)を発売開始した。
10万円を切る価格で本格的なスペックを備えたドラム式洗濯乾燥機が誕生。幅600mm×高さ857mm×奥行595mmというコンパクトなサイズで、10kgながらもニトリの縦型洗濯機よりも小さい。設置場所や搬入経路の問題で、ドラム式の購入を諦めていた人にも訴求する。まとめ洗いで洗濯回数を減らしたい人向けに、洗濯容量12kgのモデル(12万9900円)も用意した。
共働き世帯の増加に伴い、家事負担が軽減が期待されることから人気が高まっているドラム式洗濯乾燥機だが、ニトリの調査によると家庭での普及率は約25%に留まっているという。普及が進まない要因についても調査したところ、「価格が高すぎる」「サイズが大きくて設置できない」という大きく2つの理由が判明。そこでファミリー層のニーズに応えるべく新商品の開発を進めてきたという。
似鳥昭雄 代表取締役会長兼CEOは「ニトリでは10年ほど前から小物家電を設計・デザインして、個人のお客様が買いやすい価格・商品を販売してきたが、この2~3年前から家族向けの大型家電を試作しながら取り組んできた。今回、ようやく品質と価格、機能性も他社に負けないくらいの商品開発ができた。
これまでの家具、ホームファッションのソフト・ハード面に加え、今度は家電も扱うことで、お客様にとって買いやすく、住まいについて全部をそろえることができるように取り組んでいきたい」と説明した。
家電商品の開発について、奥田哲也 グローバル商品本部 家電マーチャンダイザーマネジャーは「ニトリの家電は、東京・大阪合わせて約70名で開発している。社外メンバーも含め、皆ニトリだからこそ製造できる家電があるのではとの思いで集まった。我々がどういった商品を開発するか、悩みながら見つけた結論が『常識を変える家電』だ。
我々は家具に関してはトップランナーだが、家電に関してはある意味で最後発、いわゆるベンチャーのような存在。よくあるPB家電のように、とにかく低価格でシンプルな家電で競争しても意味がないと思っている。お客様が日常の中で抱える不平・不満・不便、それを当たり前だと思って諦めていること、そんな常識を変え、生活を豊かにしていく商品を開発していく。
多忙な主婦層に買って良かった家電を聞くと、1位に挙がるのがドラム式洗濯乾燥機だ。人気が高い一方、洗濯機市場での売上構成比を見ると25%と現状、頭打ちになっている。欲しい人に買わない理由を聞くと、半数が価格だと答えた。縦置き式の平均売価が7万円に対し、ドラム式は20万円以上とべらぼうに高い。この常識に挑戦し、本格的な性能を持ちながら衝撃価格で提供する」と述べた。
なお、価格を下げるために機能を外すなどの施策は基本的にしていない。開発期間は、ベースが決まってから約半年。中国のサプライヤーと共同開発し、そこのノウハウも生かしてコストと期間の短縮を実現した。なお今回のモデルは、ニトリが資本業務提携しているエディオンとは関係ないという。
これまでニトリでは冷蔵庫や縦置き式洗濯機を販売してきたが、ファミリー向けを明確に意識した大型家電の開発は今回が初めて。今後も切り口を変えて、積極的に家電の開発を推進していく考えだ。
価格・サイズ面のみならず、機能でも差別化を図る。2kgの衣類を60分で洗濯~乾燥まで終了する「特急洗乾コース」を搭載した。乾燥機能は時間がかかるという従来のイメージを払拭する。加えて、洗濯するたびに、乾燥フィルターに付着する糸くずと埃を毎回自動で洗浄する機能も付けた。フィルターを手入れする手間も省く。
また、今後の家電売場の導入計画について似鳥会長は「全国では、現在80~90店舗くらい。来年中に300店~500店に広げ、3年後には全店に広げる。今後、家電の評判が良ければ、面積をさらに拡大したい」と意気込みを語った。
取材・執筆 古川勝平
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