イトーヨーカドー 新商品/フードコートブランド「ポッポ」の冷食11品目を発売、軽食ニーズ狙う
2026年04月06日 15:10 / 商品
イトーヨーカ堂は4月6日、フードコートブランド「ポッポ」と共同開発した冷凍食品の新商品11品目を発売した。イトーヨーカドー、ヨークフーズ、ヨークマート、ヨークプライスの計196店舗にて順次販売する。
<「ポッポ」の冷食11品目を新発売>

※左からデイリー食品部の小笠原マネージャー、ポッポ部の白澤総括マネジャー
「ポッポ」は、1975年に誕生。フライドポテトや今川焼、ラーメンなど幅広いジャンルの商品をお買い得な価格で取り扱う。現在は首都圏を中心にフードコート内で24店舗を展開し、年間来館者は約220万人に上るなど、長年にわたり多くの顧客からの支持を集めてきた。
現在のメイン客層はシニア層だが、週末にはファミリー層の利用が多い。子どもの頃「ポッポ」に慣れ親しんだ人が大人になって、そのまた子どもをフードコートに連れてきて「ポッポ」を利用する循環ができているという。
今回発売する冷凍食品シリーズは、「ポッポ」の魅力を店舗だけでなく家庭でも手軽に楽しんで欲しいという思いから開発したもの。「慣れ親しんだ味」、「簡単調理」、「ボリューム感」の3つをコンセプトに掲げる。
単に店舗メニューを再現するだけでなく、「お手頃な価格」、「親しみやすく、どこか懐かしい味わい」など、顧客それぞれが思い描く「ポッポ」らしさを大切にしたという。味付けや容量、食べやすさなど細部にもこだわった。
冷凍食品ならではの「食べたいときに、食べたい分だけ」手軽に用意できる特徴を生かし、共働き世帯や子育て世帯、高齢者世帯など、多様化するライフスタイルにも対応する。
冷凍食品全体について25年度の売上高を振り返ると、冷食市場全体での伸びが前年比6.3%増であるのに対し、イトーヨーカ堂での売上は7.9%増を記録するなど、冷食全般の販売が好調だという。
だが、冷凍「軽食」カテゴリー単体に絞ると、市場の売上が1.4%増に対し、イトーヨーカ堂の売上は横ばいとなっており、まだまだ伸びしろが期待できると判明。そこで軽食ニーズを獲得すべく、ポッポの11アイテム新発売が決まった。
新商品について、デイリー食品部の小笠原優 総括マネージャーはこう説明する。
「冷凍軽食の成長は市場でも鈍化しているが、イトーヨーカ堂では市場よりも伸びが悪かった。ここを今回、新しい取り組みで強化する。イトーヨーカドー内で非常に親しまれている『ポッポ』ブランドに着眼し、商品開発を進めようと考えた」。
新商品の展開に先立ち、25年度には「ポッポのポテト(500g)」(税込430円)を発売。フードコートでは年間80万食以上を販売している人気商品で、フードコートと全く同じポテトを家庭でも楽しめるようにした。25年下期における冷凍ポテトの売上で1位を記録しており、「ポッポのブランド力を再確認できた」という。
また、イトーヨーカ堂では2026年度、既存店ベースで冷凍食品の売上高1割増を目標に掲げている。2018年から導入しているオリジナル冷食シリーズ「EASE UP」で引き続き主食ニーズを取り込み、今回の「ポッポ」で軽食ニーズの拡大を図る。冷食売上のうち、「ポッポ」単体で5%の割合を占めるよう販売に注力していく。
合わせて、グループ店舗内の売場での冷食提案も強化。「すぐ食べる」、「日常使い」のニーズに応えるため、冷食売場を総菜売場の近くへ移設する。
「食品売場のメインストリートから、お客様がすぐ視認できる場所に冷凍食品の売場を配置していく。総菜のようにその日のおかずとして食べて頂きたい。また、冷凍食品は夕方以降の売上の構成が他の食品に比べても高い。総菜も夕方以降に売れるため、そういった意味でも非常に理にかなっている。」(小笠原マネージャー)。
そして今後の改装店舗では、冷凍食品の売場面積を約1.5倍に拡大するという。
そもそも「ポッポ」とは何か。専門店事業部リーシング部・ポッポ部の白澤 光晴 総括マネジャーはこう語る。
「ポッポは、商品としては尖っていないかもしれない。ただ本当に普通、そして安定した味でついまた食べたくなる、毎日食べたくなるようなものをずっと大事にしている。そしてお買い得であるということ、ここはやはりGMSのフードコートの中では欠かせない要素だと思っている」。
言い表せられないような普通さであったり、日常性であったり、「ポッポ」を利用したことのあるユーザーたちの共通認識を崩さないように、今回の新商品を開発したという。
家庭向けに展開する商品のうち、フードコートの既存店でも取り扱いのあるものは「ポテト」と「今川焼」のみ。一部店舗で実験導入している「から揚げ」と「アメリカンドッグ」も登場。完全新作となる「ハッシュポテト」と「コロッケ」、「鯛焼き」、「ピザ」(ピザはこれまで創業時のみ販売)もラインアップしている。
「一食当たりの喫食量が決まっていない物は比較的大容量にして、コスパを出せる商品設計にした」(白澤マネジャー)。
なお、ポテト以外の商品はフードコート納入分と異なる素材を使用。同じ素材を使っても、フードコートと冷食では同じ味にならないことから、家庭でフードコートの味を再現できる素材を新たに調達した。
冷食のほか、売場には地方の一部店舗限定で販売していたクレープを再現した新商品「生クレープ」(各213円)も導入している。
今後、ポッポをブランディングして育てていく中で、フードコート店舗の再拡大も検討中。フードコートと家庭用冷食とで相互送客を図りたい考えだ。
取材・執筆 古川勝平
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