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イオン/最新DX活用のオンラインマーケット23年夏開始、鮮度保証サービスも

2023年04月04日 13:01 / EC

イオンは4月4日、子会社のイオンネクストが今夏オンラインマーケットの新ブランド「Green Beans(グリーンビーンズ)」を立ち上げ、サービス開始すると発表した。

<最新DX活用のオンラインマーケット23年夏開始>
オンラインマーケット23年夏開始
※左からイオンネクスト太田正道副社長、バラット・ルパーニ社長、イオンの吉田昭夫社長、イオンネクストの野澤知広副社長

英国ネットスーパー企業「Ocado(オカド)」との提携により、店舗ではなく、物流拠点から配送する、新たなネットスーパーを首都圏で開始するもの。東京都新宿区・渋谷区・世田谷区・目黒区・中央区・千代田区・品川区・港区・大田区・江東区・江戸川区・千葉県千葉市(稲毛区・中央区・花見川区・緑区・美浜区・若葉区)・習志野市・船橋市・市川市・浦安市・八千代市・四街道市・神奈川県川崎市(麻生区・川崎区・幸区・高津区・多摩区・中原区・宮前区)から段階的に開始し、1年をめどに東京23区全域へ配送を拡大する。

<イオンの吉田昭夫社長>

イオンの吉田昭夫社長は「当社はデジタル戦略の強化を中計でもっとも、重視している。2019年オカド社との戦略的パートナーシップ契約を締結。10カ国12社のグローバル小売企業でも導入されているデジタル技術を採用し、世界レベルの買い物体験、ソリューションを提供する。イオングループ実店舗の少ない首都圏、特に東京23区の若いファミリーなど共働き、子育て、趣味で忙しい皆様を応援したい。最新DXにより、買い物を変える、毎日を変えるサービスを構築していく」と意気込みを語った。

Ocadoの最新のデジタル技術と機能を活用し、先進テクノロジーで運営する大型の物流拠点からの宅配・配送サービスを実現。オンラインでいつでもどこでも快適なショッピング体験を提供する。新鮮な食料品、日用品など幅広い商品、最大5万SKUを、朝7時から23時まで1時間枠での配送指定にて玄関先まで届ける。

商品の割合は食品50%、キッチン用品、医薬品など日用品50%を目指しており、売上の80%は食品になると想定している。需要が増加している冷凍食品も約2000品目取り扱う予定だ。

オンラインにありがちな生鮮農産物を自分の目で選べないという不満を解消するため、配送から1週間以内、鮮度(形状・色がすぐれた状態)を保つことを約束する「1週間鮮度保証」も提供する。

野菜の収穫、包装、温度管理など徹底し、鮮度感ある商品を販売する計画となっている。

また、既存リアル店舗出荷型のネットスーパー事業とは併存して実施する。従来の事業は実店舗からの配送であり、出来立て総菜なども配達できるメリットもあるが、「グリーンビーンズ」は首都圏のまとめ買い需要の取り込みを想定。店舗の取扱商品を物流拠点にそろえるのではなく、まったく別のオンラインマーケットとして運営する。

イオンネクストの商品バイヤーが、店舗で扱いにくい大容量商品、ロングテール商品なども含め独自の品ぞろえをし、オンラインマーケットならではの特色を出したい考えだ。

<イオンネクストのバラット・ルパーニ社長>
イオンネクストのバラット・ルパーニ社長

イオンネクストのバラット・ルパーニ社長は「『買い物を変える、毎日を変える』が我々のパーパス。時間は貴重な資産であり、多忙な若い世代が、買い物を楽しく、充実した時間にできるようDXで効率化する。食品、トップバリュ商品、ペット用品、ベビー用品など豊富に取り扱い、商品をAIがリコメンドする機能もあり、オンラインショッピングのゲームチェンジャーを目指す」と述べた。

■スマートカートで買い物のストレスを減らす

使えば使うほどパーソナライズされるスムーズなUI/UXで、ストレスのない買い物体験が楽しめるようAIを活用。過去の購入履歴に基づき、AIがおすすめ商品をクリック一つでカートインするスマートカート機能を導入する。買い物かごに商品を入れる手間を省けるもの。

よく購入する商品履歴、関連商品、購入頻度なども想定しながら、あらかじめカートに予測した商品を入れる。

イオンネクストの太田正道副社長は「予測は2秒程度で、可能。買い物の回数を重ねるほど予測精度が上がる。予測された商品は簡単に削除でき、あらかじめ用意された商品を足したり、減らしたりすることで、買い物時間を削減できる。首都圏の700万世帯に、毎日の買い物を15秒で可能にする世界観を提供したい。グリーンビーンズは、お客様に新しい時間の使い方を提案するブランドだ」と力強く語った。

さらに、お気に入りのレシピから必要な商品を簡単に選べる機能、優れた検索機能などにより、幅広い商品の中から欲しい商品が簡単に探せる。購入する14日前から商品を選ぶことができる。

■物流体制を徹底強化

<誉田CFC>
誉田CFC

AIとロボットを駆使した最先端のオペレーションを導入した誉田CFC(顧客フルフィルメントセンター)から、顧客の自宅まで配送する。同CFCは、6分で50点以上をピッキングし、店舗の10倍の効率化をもたらすロボットを導入している。

<6分で50点以上をピッキング>
6分で50点以上をピッキング

CFCは八王子でも2026年開設予定で、現在首都圏配送のさらなる強化にむけ、3拠点目も検討中だという。

<物流体制を徹底強化>
物流体制を徹底強化

オンラインマーケットでは、唯一の顧客接点はドライバーだと考え、配送を内製化。接客と品質管理の教育を受けた自社の専任スタッフ(デリバリークルー)による質の高い配送サービスを提供する。配送料は税込み330~550円を想定している。

誉田CFCでは、6時30分から23時30分まで、カスタマーサービスセンターを運営しており、スムーズな買い物を支える。

イオングループは、2030年にグループ全体でネットスーパー事業売上高6000億円を目指している。既存のネットスーパー事業に加え、グリーンビーンズ事業を首都圏、愛知県、大阪府などに展開し、グループのネットスーパー事業をより強化していきたい考えだ。

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