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富士通/Zippinと「AIレジレス店舗」で協業、2023年100店導入目指す

2020年12月08日 16:40 / IT・システム

富士通は12月8日、米国発スタートアップ企業であるVcognition Technologies, Inc.(Zippin)と同社が開発するレジレスソリューションの総代理店契約を締結したと発表した。

2021年3月までに、日本市場向けにAI技術を活用したZippinのレジレスソリューションの提供を開始する。マイクロマーケットをメインターゲットとし、店舗のDXを支援。2021年で約10店、2023年までには約100店での導入を目指す。

<スマホをかざして入店>
スマホをかざして入店
※2020年2月18日富士通新川崎TSレジレス店で撮影(以下同)

「Zippin」のレジレスソリューションは、自動決済に必要なカメラ・重量センサーなどの機器と、来店客・商品を認識するためのAI機能、決済、在庫管理との連携機能をまとめた統合システムとなっている。

両社の契約はローソンが2020年2月より実施しているレジなし店舗「ローソン富士通新川崎TS レジレス店」(神奈川県川崎市)の実証実験の成功が後押しとなり、締結に至ったもの。

レジレスソリューションの初期導入費用は、例として30m2~40m2の店舗においてカメラなど設備含め約1000万円~1500万円、ランニングコストは数十万円を見込む(店舗の広さ、取り扱い商品数で変動)。

<店内のカメラ、棚の重量センサーで顧客と商品を判別>
店内のカメラ、棚の重量センサーで顧客と商品を判別

同実験では、来店客は事前にスマートフォンアプリをダウンロードしクレジットカードの情報を登録した後、アプリに表示されたQRコードで入店。店内に設置されたカメラ、重量センサーにより来店客、商品を判別し、退店時に自動で決済が完了するため、キャッシュレスかつ、店員と非接触でスムーズに買物できる。

また、QRコード認証端末に加えて、富士通の手のひら静脈認証と顔認証を組み合わせたマルチ生体認証端末を入場ゲートへ設置。来店客は、手のひらを認証端末にかざすだけで顔認証を意識することなくスムーズに入店できるようになっており、スマートフォンをもたずに手ぶらで買物も可能となっている。

<石川裕美シニアディレクター>
石川裕美シニアディレクター

同日行われたオンライン会見で、富士通リテールビジネス本部DXビジネス事業部の石川裕美シニアディレクターは、「在宅勤務などで社内の人数が減り、レストラン・売店などの運営が厳しくなっている狭小マーケットをメインに、キャッシュレスかつ、非接触のサービスを提供。ローソンでの実験では、レジ業務を削減できた。レジ待ち時間を近隣店舗の約10分の1に短縮するなど顧客利便性も高いことが確かめられた」と説明した。

さらに、富士通はレジレスソリューションの活用とキャッシュレス化を基軸に、マルチ生体認証による本人認証、省人化・省力化・無人化オペレーション、非接触・非対面オペレーションといった周辺機能を強化・拡充。2021年9月までに、新たな購買体験を実現するソリューションを開発し、提供予定だ。

「Zippin」は2014年創立。レジレス店舗は、2018年アメリカ・サンフランシスコで本格開始した。

現在、NBAなどのスポーツスタジアム、オフィスの売店などアメリカ、ブラジル、ロシア、日本において約10店舗展開。今後、無人店舗運営における知見、消費者行動・動作解析モデルを搭載した即時導入可能なSaaS型サービスであるレジレスソリューションを富士通に提供し、両社で欧州などでもビジネス拡大を検討していく。

■問い合わせ先
富士通コンタクトライン(総合窓口)
TEL:0120-933-200
受付時間:9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・当社指定の休業日を除く)

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