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串カツ田中、インフォマート/店舗オペレーション管理アプリ導入で省人化支援

2022年11月04日 13:40 / IT・システム

串カツ田中ホールディングス(串カツ田中HD)と国内最大級のフード業界向けプラットフォームを運営するインフォマートとの合弁会社Restartz(リスターツ)は11月4日、飲食店舗運営の省人化を支援する店舗オペレーション管理アプリ「V-Manage」をリリースした。

V-Manageは、飲食店経営における店舗運営の課題をワンストップで解決するサービス。飲食店の開店から閉店まで行う業務工程を可視化することで、安全かつ無駄のない店舗運営を実現する。また、中小規模の外食企業も、大規模チェーンのマネジメントサービス導入が可能になる。今後、就労人口が減少する中で、より効率的に、また劣化させることなく店内サービスを提供し、生産性の向上を図る。

さらに、社員教育マニュアルをアプリ内で管理できるようになることで、アルバイト・パート社員の教育体制の強化と、省人化しながら複数の飲食店管理が可能な体制を構築できる。「聞きたい情報がすぐ確認できる」「業務のリマインド」等の店長の業務負荷をアプリの活用で軽減し、”仮想マネージャー”として店舗運営を力強くサポートする。

<V-Manage発表会>
V-Manage発表会

同日、千代田区の「串カツ田中水道橋店」で開催した発表会で、串カツ田中HDの坂本壽男社長(写真右端)は、「飲食業界は、コロナ禍の2年間で、休業・時短営業があり、人手不足になっている。人が集まらないと営業時間も延長できず、新規出店もできない。また、店長が長時間労働になる面があり、生産性が上がっていない。店長業務には、本部からの販促指示などもある。収益構造の改革のために、パラダイムシフトが必要であり、今回、インフォマートさんとシステムを開発した。店舗運営を可視可することにより、アルバイトでも店舗運営ができる仕組みを目指した。当社だけでなく、外食産業の未来のために、このアプリが普及することを願っている」とシステム開発の背景を説明した。

インフォマートの中島建社長(写真左端)は、「串カツ田中さんは、当社のサービスを利用するヘビーユーザーであり、コロナ禍前から外食産業を盛り上げるために何かできないか、話し合いをしていた。これまで、受発注システムを中心にBtoBのプラットフォームを提供してきたが、コロナ禍を受け、それだけでなく新しい仕組みが必要だと考えていた。その中で、ユーザー企業とガッチリ組んで、初めてシステムを作ることになった。今までのサービスは、我々が机上で考えて、お客さんにヒヤリングをしてニーズを取り入れて完成させてきた。今回は、本物のユーザーさんと一緒に、喧々諤々しながら、システム開発を進めてきた。お客さん目線のサービスがローンチまでに、出せるようになった。毎週、現場のマネージャーさん、部長さん、課長さんを含めて、振り返りをしながら、現場での必要なニーズを集めた。50個くらい、いろいろなニーズがあり、実証実験の中で、実際に店で使わないと分からないユーザビリティがいっぱい出てきた。50個全部は、搭載できなかったが、多くの機能を実装することができた」とシステム開発の過程を解説した。

<V-Manageの概要>
V-Manageの概要

V-Manageを導入することで、本部では、日々の店舗業務、臨時対応の指示をアプリ内で全店舗に共有でき、店舗運営の状況把握、緊急指示や改善指導、また、HACCP(ハサップ)等のチェック運用が可能になる。店舗数の増加や複数のブランド展開、FC(フランチャイズ)形態にも対応する。

エリアマネージャー(SV)は、担当店舗のタスクや業務指示をデジタル化しアプリで管理することで、担当店舗の日・月間の状況や必要な情報がまとめて把握できる。アプリ内のタスクマネージャーが複数店の業務をまとめてサポートすることで、各店舗への業務指示や指導等のコミュニケーションがスピーディー・円滑に行える。また、仕込み・清掃・HACCP等の状況も、アプリ内で確認できるため、さらなる改善・指導も行える。

店舗(店長・従業員)は、これまで紙やエクセルで管理していたタスク・チェック事項をデジタル化することで、指示がなくても毎日のルーチン業務が把握でき、実施漏れも防止する。また、店舗で実施した衛生管理の記録・蓄積も可能になる。

<V-Manageの効果>
V-Manageの効果

これまで、串カツ田中の3店舗で実証実験を行い、週に1日社員不在の「アルバイト営業」を実施し、店舗売上に対する人件費率で1%の削減効果があった。また、アルバイト教育にかかる時間では、約8時間の削減効果があった。さらに、エリアマネージャーの電話確認時間では、これまで1店舗あたり10分程度の時間が必要であったが、それが不要となるため、1マネージャー平均8店舗で換算して、1日約80分の削減効果が見込めるという。

まずは、300店舗以上を展開する串カツ田中を中心に、V-Manageを導入し、2023年度に70社・1100店舗でのV-Manageの導入を目指すという。

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