KDDI/実店舗を3Dで再現する「αU place」無印良品で導入
2023年10月24日 16:09 / IT・システム
KDDIは10月24日、実店舗を3Dで再現したバーチャルショッピングサービス「αU place(アルファユープレイス)」を提供開始した。
<「αU place」使用画面>
実店舗を3Dで忠実に再現したバーチャル店舗で、最新の展示を見ながらショッピングできる携帯アプリ。簡単なフリック操作で店内を巡回でき、気になる商品をタップすると価格などの詳細情報が表示され、店舗ごとのECサイトにアクセスすることも可能だ。
リリース時には、「無印良品 銀座」、「Lui’s/EX/store」、「ポケユニ ハラジュク」(11月以降)、「2G POPUP STUDIO」、「ヒョウベイ」、「au Style SHIBUYA MODI」の6店舗を利用できる。
<中馬副本部長>
サービスの展望について、KDDI 事業創造本部の中馬和彦 副本部長は「まずは店舗数を拡大したい。今回の6社を皮切りに賛同いただける店舗を増やし、銀座・新宿など主要都市の一定区画規模できっちりそろえられるレベルまで持ち上げていきたい。当面は規模の広がりを優先し、EC・リアル店舗の合間にあるバーチャルストアとしての立ち位置を確立する」と述べた。
<良品計画の永原役員>
サービスに参画した良品計画の永原拓生 オープンコミュニケーション部 管掌 執行役員は「出店した『無印良品 銀座』は、当社の世界旗艦店であり、先月リニューアルオープンした。若年層の顧客や、まだ『無印良品 銀座』を知らない方にも、まずは忠実に再現されたバーチャル店舗で買い物体験をし、リアルの世界でも行ってみたいと思ってもらい、来店してほしい」とコメントした。
「無印良品 銀座」(東京都中央区)の副店長によると、同店の顧客層は地域性からか若年層の来店が少ないという。一方でメタバースの主要利用者は若年層中心であることから、そうした顧客にもバーチャルで「無印良品 銀座」を体験してもらい、リアル店舗への来店動機になることを期待したい考えだ。
<店内をスキャンして3Dに反映>
実店舗の内装を3Dに反映する手順はシンプルだ。店員が店内をスマートフォンでスキャンするだけで、商品展示が最新の状態にアップデートされる。従来のメタバース出店では、商品を1つずつCGで作成する必要があったが、導入にかかる費用・期間を減らしてバーチャル店舗の出店を簡単にした。
同日、「αU place」への出店を希望する店舗の募集もスタートしており、店内空間をスキャンする店舗向けアプリ「αU place for BIZ」は年内に提供開始する。
サービスの導入によって、シーズンの移り変わりなどで店内の商品展示やトレンドが変わっても、顧客がいつでも最新の展示をバーチャル店舗でチェックできるようになる。従来のオンラインストアでは体感できない、実店舗のリアルな内装や照明などの雰囲気、買い物導線、陳列や商品ポップなどの工夫を、店内を回遊しながら閲覧できるという。
<リモート接客も可能>
「αU place」ではこのほか、バーチャル空間から実店舗の店員に接客を受けることも可能。商品に関する相談や詳細情報を聞くことができる。例えばauショップの場合、実店舗と同じように店員と相談の上、機種変更や料金プラン変更などの契約手続を行えるという。購入した機種は自宅に配送される。
店員と会話できる機能は「au Style SHIBUYA MODI」から導入開始。11月以降に提供予定だ。
■αU place
https://place.alpha-u.io/
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