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LINEヤフー/検索キーワードから「隠れたニーズ」を生成AIが分析する新機能

2024年03月13日 12:50 / IT・システム

LINEヤフーの多様なサービスから得られる行動ビッグデータを用いた事業者向け分析サービス「ヤフー・データソリューション」は3月7日、検索・人流データから人々の興味・関心を分析できるデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」に、生成AIに関する3つの試験機能を連続導入した。

第1弾として、生成AIが検索ビッグデータから「隠れたニーズ」を見つける機能の試験導入を開始した。なお、「DS.INSIGHT」にて可視化されたデータは、すべて統計化されており、個人を識別可能なデータは含まれない。

<新機能>

第1弾として導入する新機能は、検索データなどを基に生活者の興味関心を可視化する「DS.INSIGHT People」において、特定のキーワードと一緒に検索されているキーワードをマッピング形式で表示する「共起キーワード」機能での分析を生成AIがサポートする。検索キーワード同士のつながりの中から、一見してわかりづらい隠れた傾向を生成AIが考察し、テキスト形式で出力する。

既に2023年10月に「DS.INSIGHT People」において、生成AIがデータを検索キーワード群に分類し、傾向の読み解きや、それらが検索された背景などを分析結果として出力する機能を試験導入していた。既存の機能は、「共起キーワード」のマップをカテゴリーごとに整理することで、ユーザーの分析結果についての文脈理解をサポートする。

一方で新機能は、膨大なビッグデータに隠れた既存機能ではカテゴライズされないような検索キーワード同士のつながりを生成AIによって発見し、新規事業などのビジネスアイデアへ活用してもらうことを狙っている。また同時に、データ分析の前工程となるデータクレンジングや考察などの作業を短縮し、分析業務の負荷を低減する。

<既存の生成AIによる考察機能との出力結果の違い>

例えば、「マスク」についての分析結果の場合、既存の生成AIによる考察機能は人々の検索行動の意図として「マスクのブランド・メーカー」「マスクの特性・機能」などといったカテゴリーに分類する。一方、新機能は、ビッグデータから「ファンデーション」との関連性を見出し、マスクに付着しづらいファンデーションを探す「隠れたニーズ」を提案するという。

<既存の生成AIによる考察機能との出力結果の違い>

また、「キャンプ」についての分析結果の場合、既存の生成AIによる考察機能では人々の検索行動の意図として「キャンプ用品・装備」「キャンプ料理・食事」「キャンプ場所・地域」などといったカテゴリーに分類する。一方、新機能は、ビッグデータから「犬」との関連性を見出し、ペットと一緒にキャンプを楽しみたいという「隠れたニーズ」を探し出す。

<隠れたニーズを生成AIで考察する方法>

「隠れたニーズ」を生成AIで考察する方法は、まず「DS.INSIGHT People」の「基本画面」で分析したい検索キーワードを入力する。次に、「共起キーワード」の分析画面で「隠れたニーズを調べる」をクリックする。すると、生成AIが「背景」「ユーザーのニーズ」「商品企画やコンテンツ企画のアイデア」についての分析結果を出力する。なお「検索意図を調べる」からは、2023年10月にリリースした既存の生成AIによるデータ考察機能を使用することができる。

LINEヤフーでは、多様なサービスから得られるビッグデータを活用し、企業や自治体、教育・研究機関向けに事業の創造や成長支援、課題解決などにつなげるインサイトを導き出すことを目的として、事業者向けデータソリューションサービスを展開している。

担当者が手元で簡単に行動ビッグデータを分析できるデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」ではこれまで、検索データなどを基に生活者の興味関心を可視化する「DS.INSIGHT People」、特定エリアや店舗・施設の来訪者情報を可視化する「DS.INSIGHT Place」、ビッグデータからターゲットのライフスタイルや興味関心を把握し、詳細なペルソナを作成する「DS.INSIGHT Persona」、上昇トピックやトレンドを可視化分析する「DS.INSIGHT Trend」の4つの機能を提供してきた。

今回、さらなる生成AIの活用により、「DS.INSIGHT」での分析においてデータからニーズや課題などを読み解き、考察する業務の時短や効率化につなげるため、3つの生成AI機能を3月から順次、試験導入する。また、ヤフー・データソリューションは、分析業務の負担を軽減するとともに、誰もがデータを事業や課題解決に活用できる世界の実現に向け、「DS.INSIGHT」への生成AI導入を今後も推進するという。

■「DS.INSIGHT」問い合わせ先
https://ds.yahoo.co.jp/service/insight/

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