花見需要/酒類は「ワイン」「清酒」「プレミアムビール」に伸び
2019年03月07日 12:55 / POS分析
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使えるPOS分析の第6回目は、市場POSデータのRDS-POSと総務省統計局の家計調査を活用して、花見で売れる酒類は何かを明らかにします。
前回の第5回では、家計調査を分析したところ、花見の時期の酒類は、意外にも全般に低い傾向があり、ビール、チューハイ・カクテルは100を下回っていました。
図表1<2018年桜開花時期の売れ筋(菓子類・惣菜)>
出典:マーチャンダイジング・オン「家計調査Quick」
今回、家計調査では、ワインを除いてそれほど指数上昇がみられなかった酒類が、市場データであるRDS-POSではどうだったのかを検証します。
図表2<2018年アルコール飲料桜開花時期の季節指数推移 京浜エリア>
出典:マーチャンダイジング・オンRDS-POS
2018年の52週平均を100とした場合に、2018年の桜開花時期の季節指数がどう変化したのか、酒類ごとに調べてみました。
果実酒は東京・横浜の満開週2週連続して季節指数が上がっていて、家計調査の結果と一致する傾向と言えます。
しかし、RDSでは果実酒だけでなく清酒、ビール等でも高い指数となっていたことが分かりました。(地域を限定することでより焦点が絞られたものと思われます。)
花見における購買行動は、安定性、食べやすさ(携帯性)、「晴れの日」消費といったキーワードが感じられます。
このことから清酒とビールをけん引する属性を推定すると、清酒は「ワンカップ」、「4合瓶(720ml)」、ビールは「プレミアムビール」となると思われます。
まずは清酒で、ワンカップ、4合瓶、その他に分けて季節指数を確認してみました。
ワンカップは明らかに大きな動きをしていますが、4合瓶はその他清酒と比べて優位的というほどではありません。
図表3<2018年清酒桜開花時期における容量別の季節指数 京浜エリア>
出典:マーチャンダイジング・オンRDS-POS
しかし、ワンカップ市場は4合瓶、その他清酒に比べて相当小さいため、マーケットに与える影響は微々たるものと言えます。
清酒全体の季節指数が上がるのは、携帯性の高い商品がけん引しているというよりも、花見というあまりにも日本的な行事に清酒そのものがフィットしていると考えるのが妥当だと思います。
図表4<2018年桜開花時期におけるプレミアムタイプの季節指数 京浜エリア>
出典:マーチャンダイジング・オンRDS-POS
続いて、ビールにおけるプレミアムビールの需要動向を検証してみました。ビールをプレミアムビールとそれ以外のビールに分けて季節指数を比較してみました。
プレミアムビールが満開の2週間で大きく跳ねています。この時期毎年のようにビール系飲料のCMを目にする機会が多いのでビール全体でもひと山作っていますが、プレミアムビールの山はさらにその上を行っていることが分かりました。
やはり、プレミアムビールは、晴れの日消費の典型的な商品と言えそうです。
■RDSについて
http://www.mdingon.com/MdonWeb/service/newrds.html
本稿は、流通現場における製配販それぞれのマーチャンダイジング提案活動を、POSデータ分析を中心にいろいろな角度からサポートするマーチャンダイジング・オン(MDON)が、「POS分析」に関して色々な角度から紹介するコラムです。
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