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セブンイレブン/作業時間5.5時間削減、58の最新技術を採用した次世代店舗

2017年12月06日 21:16 / 店舗レポート

セブン-イレブンのフランチャイズ契約では、加盟店の水道・光熱費の80%は本部が負担する契約となっている。省エネを進めることは、本部と加盟店の利益にもつながる。

<新型フライヤーフードユニット>
新型フライヤーフードユニット

菱熱工業が開発した新型フライヤーフードユニットによる給排気システムを導入することで、空調効率の効率向上を目指した。

セブン-イレブンは、入口が1つしかない店舗が多く、フライヤーの排気を行うと適正な温度に管理された店内の空気が店外へ流出し、空調効率が落ちる課題があった。

今回、フライヤー設備に、給気機能を付加することで、店内気圧と外気圧との差を少なくすることで、店舗入口からの外気の流入を低減する。

また、フライヤーには自動調理機能を付けることで、フライヤーで加工するフライドチキンなどの店内調理作業を軽減する。

古屋社長は、「電力というものは、24時間流れており、使わないことだけでは削減にはならない。省エネに加えて、自家電力を創造し、二酸化炭素を削減することが必要だと思う」と述べている。

<店舗前に路面型太陽光発電設備を導入>
店舗前に路面型太陽光発電設備を導入

自家発電の強化の取り組みとして、フランスのコラス社が開発した「路面型太陽光発電設備」を、アジアで初めて採用した。

千代田二番町店では、12m2の設置に留まるが、店舗の屋根以外でも発電できるメリットがあり、駐車場を持つ店舗では大きな効果が期待できる。

100m2に敷設した時の発電量は、年間で約1万kWhで、2013年の標準店使用電力の約7.2%に相当する。

そのほか、国内のコンビニでは初めて、岩谷産業と共同で、純水素燃料電池の発電利用を開始したほか、三井プラントシステムと共同で、高効率太陽光発電システムも導入。自家発電能力を大幅に強化した。

<2階にセブン自販機を設置>
2階にセブン自販機を設置

最新のモデル店舗として、2階には9月から設置を開始した食品自動販売機「セブン自販機」を設置。セブン自販機の設置は9か所目となる。

<宅配ロッカーも設置>
宅配ロッカーも設置

4月から設置を開始した宅配ロッカーも設置し、現在、セブン-イレブンが行う最新の取り組みはすべて取り入れた。

<サイドメッシュ什器も採用(左端)>

秋からあらたな施策として店舗に導入した、単品のお菓子などを訴求するサイドメッシュ什器も配置。

<サラダチキンをゴールデンゾーンで展開>
サラダチキンをゴールデンゾーンで展開

店内での買い物だけで、気軽におかずが作れる提案として開始したサラダチキンを使ったメニューを提案する調味料「サラダチキンで作る参鶏湯」、「同濃厚ミネストローネ」(各198円)も販売している。

<サラダチキンを使ったメニューを提案する調味料も販売>
サラダチキンを使ったメニューを提案する調味料も販売

セブン&アイグループのロフトの文房具をコーナー展開するほか、ネット通販の影響もあり売上が縮小傾向にある雑誌の売場を縮小するなど、最新のレイアウトを取り入れた。

<ロフトの文房具コーナー>
ロフトの文房具コーナー

大橋本部長は、「次世代店舗を開発するにあたり、参加してもらった外部企業のうち約25%は新規企業で、外部の知見や専門知識を積極的にとりいれたい」という。

<雑誌コーナー>
雑誌コーナー

半年まえから開始した、次世代店舗プロジェクトには、88社が約350件の提案をしている。千代田二番町店では、このうち38社・58件の新しいテクノロジーが採用されている。

セブン-イレブンの店舗の約80%は駐車場付き店舗だが、千代田二番町店は駐車場がないため、導入を見送った施策もある。

大橋本部長によると、「現在、検討中の技術がまだ72件あり、今回採用した58件の技術と合わせると130の新しい技術を採用した店舗ができる」と語っている。

古屋社長は、「昨日、従業員にいったことだが、これをモデル店として喜んでいてはダメだ。いま約2万店あるセブン-イレブンの店舗に、一つでも新しい技術を入れていきたいというのが、私の強い決意だ」と述べている。

今後、約6か月間の検証期間を経て、順次、可能な技術から全国約2万店のセブン-イレブン店舗への導入を目指すという。

店舗概要
所在地:東京都千代田区二番町8-8
TEL:03-5215-5877
店舗面積:213.3m2
アイテム数:3300アイテム

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