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ヨークマート/四街道に大型店モデル店舗「もねの里店」目標年商21億円

2019年04月17日 18:22 / 店舗レポート

ヨークマートは4月17日、千葉県四街道市の商業施設「もねの里モール」の中核店舗として「ヨークマートもねの里店」をオープンした。

<ヨークマートもねの里店>
ヨークマートもねの里店

今後の大型店舗のモデル店舗と位置付ける店舗を出店したもの。大竹正人社長は、「ハレノテラス東大宮店、小豆沢店と新しい取り組みを取り入れた出店をする中で、ヨークマートとして、今後の出店フォーマットの完成形ができつつある。魚惣菜、手作りサラダ・デザート、ナポリビザといった、お客様から価値を認めらているMDを、今年は大型店の既存店改装で取り入れていきたい」と語る。

2019年度は、売場面積約2000m2以上の大型店で5~6店を改装する予定で、厨房設備を含むバックヤードの改装も合わせて、もねの里店の取り組みを導入する予定だ。

<大竹社長>
大竹社長

商圏500m商圏760世帯・人口2000人、足元が薄い商圏、1.5Km商圏5500世帯・人口1万4000人、3km圏内2万2000世帯・5万人の広域商圏を想定している。

<店舗レイアウト>
店舗レイアウト

足元商圏では、宅地開発が進んでおり、ニューファミリー層が多く、広域ではシニアの構成比が高い地域となっている。一戸建てが多く、持ち家比率が高い地域となっている。

競合店は1km商圏三徳四街道店、3km商圏ではイトーヨーカドー四街道店、ヤオコー四街道店、5km商圏では、ヤオコー佐倉染井野店、ベイシア佐倉店がある。

<シニア層向けに上質商品を強化した>
シニア層向けに上質商品を強化した

1km商圏では、年齢別構成比で40%が60歳以上のシニア層であることから、シニア層をメインターゲットとした。シニア層に向けて、上質商品と地場商品の品ぞろえを強化した。

<地元商品を各売場で訴求>
地元商品を各売場で訴求

吉川正男店長は、「商圏調査をするとシニア層の方から、地元商品に対する要望を多く受けた。地域性が強い立地から、入口では、地場野菜、銘店コーナー、米屋、房洋堂、の銘菓を展開。銘店コーナー以外にも地場コーナーをつくり、市原市の「守屋」落花生、鴨川市の「鯛せんべい」など千葉でおなじみの商品を品ぞろえした」と語る。

<和菓子でも地元商品を訴求>
和菓子でも地元商品を訴求

特に、和菓子にこだわった売場と品ぞろえを実施。地元四街道の和菓子店「IZMINO」、千葉市の洋菓子店「オランダ屋」、成田市の和菓子「米屋」、松戸のカステラ「SAKAEYA」をそろえた。

<日配品でも地元商品を豊富に展開>
日配品でも地元商品を豊富に展開

漬物など日配商品のほか、海苔など乾物など各カテゴリーごとに地場商品を取り入れ、合計200アイテムの地場商品を販売する。市原市の食品卸「守屋」の協力を得て、地場商品の発注もEDI発注に対応させた。

<魚惣菜>
魚惣菜

大竹社長は、「ディスカンターも出店する中で、『ヨークマートに行けばこんな商品がある』と目的買いしてもらう商品が必要で、集客できる商品を強化したい」と語る。

鮮魚部門の魚を使用し鮮魚部門が製造する魚惣菜、青果部門のフルーツや野菜を使用した手作りサラダ・デザート、惣菜部門のナポリピザを、主力商品に位置付けている。

一方で、ヨークマートでは、寿司シャリを冷蔵ケースで展開すると固くなる課題があるため、現時点では、鮮魚部門での寿司製造はしない方針だ。

<魚惣菜は鮮魚厨房に隣接する専用厨房で製造>
魚惣菜は鮮魚厨房に隣接する専用厨房で製造

品ぞろえは、生鮮3品・惣菜・インストアベーカリー1200アイテム、グロサリー7600アイテム、8800アイテム。売上構成比は生鮮・惣菜・インストアベーカリー55%、グロサリー45%。惣菜・インストアベーカリーでは11~12%を想定する。

<手作りデザートコーナー>
手作りデザートコーナー

青果部門の果物を使用した手作りデザートや野菜を使用した手作りサラダは、既存導入店舗では人気商品となっている。

<手作りサラダコーナー>
手作りサラダコーナー

大竹社長は、「手間はかかるが、価値のある商品にお客さんは反応しており、手ごたえを感じている。利益面は厳しいが、手間のかかる商品もしっかりと訴求したい」と語る。

店内製造する生鮮惣菜は、素材の原価が高く、人件費も考慮すると利益が残りにくい商品となるが、お客がわざわざ来店するきっかけを作る商品として重視している。

<ナポリピザ>
ナポリピザ

ナポリピザは、一部店舗でお客の注文を受けて提供する販売方法を取り入れていたが、今回は、作り置きの商品を販売する方式を採用した。

人気商品となっているが、ピザが焼きあがる時間に課題があり、お客を待たせてしまうため、作り置きに変更した。

家庭で温めなおしても、焼き立ての味わいを再現できる商品のため、作り置きでも十分に価値のある商品を提供できるという。

<イートインをベーカリー・惣菜売場に隣接>
イートインをベーカリー・惣菜売場に隣接

大竹社長は、「一度、グローサラント的な取り組みに挑戦したが、やはり受注生産のオペレーションに課題がある。今後は、しっかりイートインスペースを確保して、店内で購入したベーカリーや弁当・惣菜をその場で楽しんでもらえる環境を整えたい」という。

<ファミリー層向けに簡便商材を充実>
ファミリー層向けに簡便商材を充実

店舗周辺では、宅地開発が進んでおり、子育て世代が多く流入している。そのため、ファミリー層向けには、即食・簡便、時短調理といったキーワードで商品を訴求している。

精肉部門では合計22尺を使って、時短調理ができる味つけ肉を展開したほか、鮮魚部門でも味つけ魚の品ぞろえを豊富にした。

<冷凍パンコーナー>
冷凍パンコーナー

もねの里店から開始した新規MDとして、冷凍パンと冷凍デザートを導入した。

<冷凍デザートコーナー>
冷凍デザートコーナー

どちらも実験導入の段階だが、冷凍デザートで販売する、ヨークベニマルの子会社ライフフーズが展開する「カチカチメロンパン」は、ヨークベニマルの人気商品となっており、新たな看板メニューとして期待されている。

<精肉の看板商品の牛肉は店内加工で提供>
精肉の看板商品の牛肉は店内加工で提供

手間のかかる生鮮惣菜を強化する一方で、省力化への取り組みとして、精肉部門では銘柄鶏と一部の生食商品でアウトパック商品を導入した。

今後、鶏・豚肉商品のアウトパック化を進める方針で、店内作業の削減を目指す。

一方で、精肉部門の看板商品となっている牛肉は、店内加工を継続して、集客力のある商品として育成する。

<セミセルフレジを導入>
セミセルフレジを導入

レジでも省力化を図るため、通常レジは1台に止め、お客が精算を自分で行うセミセルフレジを5台導入した。

大竹社長は、「一昨年は小型店の改装を進めたが、小型店はなかなか難しい。大型店は標準フォーマットが確立しつつあり、今期は、大型店の改装を本格化させていきたい」と語っている。

施設概要
所在地:千葉県四街道市もねの里6-10-1
交通アクセス:JR総武本線「物井駅」西口より徒歩16分
JR総武本線「物井駅」西口よりバス(乗車時間5分)
売場面積:2150m2
TEL:043-422-2262
駐車台数:280台(モール共有・お客用)
営業時間:9時30分~22時(通常時)
従業員数:計120人(社員20人、パートタイマー100人)
商圏人口:約1万4000人(5500世帯)※半径1.5kmの基礎商圏内
売上目標:21億円(初年度計画)
共同出店:ドラックストア、100円均一、ファッション

■もねの里モール
https://www.monenosato-mall.jp/

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