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ヨークフーズ/惣菜・ベーカリー・冷食強化「即食・簡便」対応

2020年05月19日 17:50 / 店舗レポート

ヨークマートは5月13日、千葉県市原市に新業態「ヨークフーズ」の1号店となる「ヨークフーズちはら台店」をオープンした。

首都圏のお客ニーズを満たす店舗フォーマットを目指し、新たなマーチャンダイジングに挑戦した店舗となる。

<惣菜売場の全景>
惣菜売場の全景
写真提供:セブン&アイ・ホールディングス(以下同じ)

精肉・青果・鮮魚・惣菜・ベーカリーの生鮮部門は、オープンキッチンで製造風景が見え、ライブ感のある売場を演出。品質・量感・量目にこだわった品ぞろえとした。

デジタルサイネージを店内各売場に設置し、食事メニューの提案や、仕入れ担当者の一押しポイントなどをお客に説明している。

<店内加工の温惣菜>
店内加工の温惣菜

中華惣菜、フライ、揚げ物など、店内加工の温惣菜を壁面で展開するほか、店内には大型の平オープンケースを活用してアウトパック商品も豊富に展開する。

<だんらん:DELI>
だんらん:DELI

パスタ、鉄板焼きのやきそば、冷やし麺など外部の工場で製造したアウトパック商品を活用することで、店内加工作業の軽減と品ぞろえの充実を両立させている。

<レンジごはん>
レンジごはん

電子レンジで仕上げ調理することでできたてを楽しめる「レンジごはん」をコーナー展開する。「あおり香味チャーハン」「チキンカレーピラフ」「デミグラスソースのオムライス」
(各税別298円)などを販売する。

<雑穀米を使用したプレート商品>
雑穀米を使用したプレート商品

健康への関心の高まりから注目を集めている雑穀米を使用したプレートタイプのお弁当も品ぞろえした。「鶏もも唐揚げと彩り野菜の黒酢&黒米プレート」「雑穀米&デミハンバーグプレート」(各398円)など販売する。

雑穀米のプレート商品も電子レンジで仕上げ調理をする商品設計とした。

■ベーカリーでは専門店の味を目指したピザ導入

インストアベーカリーでは、個包装による売場展開を採用した。従来、インストアベーカリーは、トレーとトングを設置し、お客が好きな商品をトレーにのせ、ベーカリー専用レジで精算するオペレーションを採用していた。

<ベーカリーコーナー>
ベーカリーコーナー

一報で、新型コロナウイルスの感染防止策として、既存店のヨークマートでは、インストアベーカリーでも個包装で販売する対応を進めていた。

個包装でベーカリーを販売したところ、お客からの評判も良く、売上も増加していることから、ヨークフーズでは、個包装によるベーカリーに販売を採用した。

ベーカリーを個包装とすることで、通常レジでベーカリーを販売できるメリットがある。また、これまで、ベーカリー部門でレジスタッフを配置する必要があったが、レジ業務がなくなることで、よりベーカリー売場の製造・陳列といった業務に専念できる体制が整った。

<ベーカリーは個包装で展開>
ベーカリーは個包装で展開

ちはら台店では、500度の窯を店内に設置し、窯焼きピザ売場をコーナー展開する。

ピザは、ヨークマートでも展開している商品で、500度の専用高温窯で焼き上げることで、短時間の焼き上げで生地の中の水分を保つことができ、中はもっちりとしながら、外はカリッとした食感が楽しめる本格的な味わいが特長。

<窯焼きピザコーナー>
窯焼きピザコーナー

今回、生地の配合を変更し、よりふんわりとした食感の生地に仕上げた。「てりやきソースの照焼きチキンピザ」「シーフードピザ」「アスパラベーコンエッグピザ」「マルゲリータピザ」「カプリチョーザピザ」などを品ぞろえした。

1切れ(190円)、7インチ(300円、440円)、ホール(598円、880円)の価格帯で販売する。

大竹正人社長は、「窯焼きピザは、専門店の味わいを目指して商品開発した」と述べている。

<窯焼きピザ商品の一例>
窯焼きピザ商品の一例

■共働き世帯のニーズに対応、冷凍食品売場1.5倍に拡大

共働きの多い地域のニーズに合わせて、まとめ買いや買い置きに便利な売場を提案。冷凍品売場は標準店の1.5倍のスペースを確保した。

冷凍食品はEDLPを採用し、いつでも低価格で販売することで来店動機の創出を図る。

<冷凍食品売場>
冷凍食品売場

冷凍食品は扉付きのリーチインクーラーと扉付きの平オープンケースの2カ所で展開する。平オープンケースを導入することで、冷凍食品でも単品大量販売に対応できる売場在庫を確保する。

<扉付きの冷蔵リーチインクーラー>
扉付きの冷蔵リーチインクーラー

冷凍食品は、扉付きのの冷蔵リーチインクーラーも設置。品ぞろえの豊富さを実現するとともに、消費電力の削減も目指す。

<飲料も扉付き冷蔵ケースで展開>
飲料も扉付き冷蔵ケースで展開

また、スーパーの中でも多くの電力を消費する飲料販売什器にも、扉付き冷蔵ケースを導入した。従来のオープン型の冷蔵ケースに比べ、電気使用量が48%も削減でき、省エネ効果が大きく見込まれる。冷気が漏れないことで空調循環が効率化され、売場の冷え対策にも効果的だという。

■素材と調味料、酒とつまみなど関連販売を強化

店舗レイアウトでは、買い周りしやすい「ゾーニング」に挑戦した。酒類売場に隣接して、
チーズ、ローストビーフなどのつまみとなる即食食品を一つのエリアで集合展開し、買い周りしやすい売場レイアウトとした。

<酒売場>
酒売場

オードブル・おつまみ売場では、晩酌や「ハレの日」に最適な商品を提案する。平オープンケースで展開し、ケース上段にはおすすめのワインを陳列することで、関連販売を強化している。

<オードブル・おつまみ売場>
オードブル・おつまみ売場

ちはら台店では、おすすめ食材と、一緒に利用される頻度が高い商品や便利商品をまとめて配置し販売する関連販売を強化した。

<精肉売場の関連販売>
精肉売場の関連販売

精肉売場では、ステーキ用の精肉とステーキソース、付け合せのクレソン、あらびきマスタードなどを平オープンケースを活用して集合展開する。

<ピザ売場でピザカッターを販売>
ピザ売場でピザカッターを販売

食品と生活雑貨との関連販売にも挑戦し、デイリー商品のピザ売場でピザカッターを販売している。

<キッチンサポートコーナー>
キッチンサポートコーナー

生鮮食品売場と調味料などのグロサリー売場の結節点となる第2コーナーには、メニュー提案を調理実演も交えてするキッチンサポートを配置した。

即食・簡便の提案だけでなく、自分で料理を簡単にしてみたいといったニーズに対しても、対応する。

<デジタルプライスカードを実験導入>
デジタルプライスカードを実験導入

ちはら台店では、デジタルプライスカードを実験導入した。既存店は、紙のプライスカードと紙のPOPを活用しているため、チラシを出すたびに手作業で、売場の価格を変更する必要がある。

デジタルプライスカードは、ストアコンピューターで価格変更すると売場の商品価格も同時に変更されるため、店舗オペレーションの作業負担を軽減できる。

<店舗外観>
店舗外観

大竹正人社長は、「インストア加工商品の強化、競合にない味の良さ、できたて、手作り商品の提供で、主客力を高める。同時に、デジタルプライスカードなど店内オペレーションの省人化も進め、従業員が誇りをもって働ける店舗を目指したい」と語った。

■ヨークフーズちはら台店
所在地:千葉県市原市ちはら台南2-32-2
売場面積:1987m2
TEL:0436-40-5033
駐車台数:461台(モール内共有)
営業時間:9時~21時30分(通常時)
従業員数計:95人(社員21人、パートタイマー74人)※8時間換算
商圏人口:約1万7000人(約6000世帯)※半径1.5kmの基礎商圏内

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