恵比寿ガーデンプレイス/ライフスタイル提案施設に刷新、DCM新業態も
2022年11月07日 17:31 / 店舗レポート
サッポロ不動産開発は11月8日、恵比寿ガーデンプレイスの商業棟「センタープラザ」をリニューアルオープンする。11月7日、報道向け内覧会を開催した。
恵比寿ガーデンプレイスは、商業・文化施設だけでなく住宅・オフィス・ホテルなどを有する、ワンランク上の上質な暮らしを届ける大型複合施設として1994年に開業。商業棟では、昨年2月28日まで三越恵比寿店が営業していた。
「センタープラザ」は、4月に先行オープンした地下2階フーディーズガーデンに続き、11月8日地下1階から2階までの全フロアがオープンする。関東最大の売り場面積となるゴールドウイン、DCMやプラスの新業態を含む全26店舗のテナントがそろう。
コロナ禍を受け、大規模商業施設への集客、オフィスに通勤するのが前提の働き方に、大きな変化が生じた。今回のリニューアルでは、新たな顧客ニーズに対応した「ライフクリエイターズ・リビング」をコンセプトに設定。単なる商業施設ではなく、新しいモノ、コトに関心を持ちながらも、トレンドに流されず、自らの価値観で選択を行い、「私らしい暮らし」を作り上げる「暮らす人」「働く人」「訪れる人」をターゲットにしたライフスタイル提案型施設を目指す。
具体的には、近隣ファミリー・外国人・富裕層、恵比寿ガーデンプレイスのオフィスワーカー、観光客など休日の来街者の需要を取り込む。日々の生活を豊かにする体験型店舗、自分らしい暮らしを作る雑貨店、都会のオアシスにふさわしいテラス席のある飲食店、クリエーティブオフィスなどを導入する。
「暮らし」の提案では、業界最大級のホームセンター「DCM」による、体験型新業態「DCM DIY place(ディーシーエム ディーアイワイ プレイス)」が登場する。同社の清家茂 管理本部 DX戦略統括部長 兼 新規事業開発部長は「DCMでは全国で約670店舗ホームセンターを運営しているが、ここ2~3年、首都圏でDIY文化を広められる新業態のための立地を探していた。自分で自分のライフスタイルを作り上げていく人のため施設を目指す恵比寿ガーデンプレイスの方向性に共鳴し、出店を決めた。20~40代の若い女性をメインターゲットに、顧客の一人一人に寄り添った提案のできる店を目指す」と意気込みを語った。
ゴールドウインは、新業態「PLAY EARTH KIDS」、初のキャンプ特化型店舗「THE NORTH FACE CAMP」、「NEUTRALWORKS.」の3店舗をオープンする。「PLAY EARTH KIDS」は、サステナブル商品の販売、ファミリー向けの体験イベントを含めた提案を実施。「THE NORTH FACE」は充実したキャンプ用品・アパレル、「NEUTRALWORKS.」では健康を意識したアパレル・グッズを販売する。
新たな「働き方」の提案として、プラスが、自社オフィス兼体験型ショールーム「PLUS DESIGN CROSS(プラスデザインクロス)」を12月6日オープンする。オフィス家具事業の本部拠点「プラスファニチャーカンパニー 東京オフィス」を移転するもの。
プラスは、これからのオフィスづくりのグランドコンセプトとして「オフィスに『引力』を。人をひきつける、社会をひきつける、未来をひきよせる」を掲げている。「引力」を生むためには、社内外のあらゆるステークホルダーと積極的につながりをもち、企業の社会的な役割や価値を示す舞台として「オフィス」が重要な役割を担うと考えている。そこで、社会活動と企業活動を結ぶプラスの新拠点「PLUS DESIGN CROSS」を構え、新しい働き方を実践し情報を発信するとともに、恵比寿に集う多様なパートナーとの共創活動を行う。
すでに、同じ入居テナントであるゴールドウイン、TSUTAYA BOOK STOREなどと共創が始まっている。同社は、入居テナントに限らず、近隣住民、学生などとのコラボレーションも検討している。
また、ワークスタイルショップ&ショールームとして、1階に「ouchi GARAGE(おうちガラージ)」、地下1階に「CREATORE(クリアトーレ) with PLUS」を出店。自分らしい在宅勤務をかなえる家具、雑貨を実際に試すことができる。
プラスファニチャーカンパニープレジデントの北尾知道常務は「コロナ禍を経て、在宅勤務、出社を併用するハイブリッドワークスタイルはこれから続くと考えている。そのため、働き方、暮らし方の境界線がなくなってきている。在宅勤務がより豊かになるアイテムを提供するとともに、新しいオフィスでの働き方を提案する体験型ショールーム兼オフィスを新設する。ライブオフィスにすることで、『リモートでは伝わり切らない』『仲間と過ごしたい』というニーズに対応し、意識を共有できるレイアウト、共創にふさわしい環境を体験できる」と説明している。
同社によると、コロナ禍による在宅勤務の一般化を経て、木製家具の導入といった居心地の良さも求められるオフィスのリビング化が起きている。同時に、自宅ではできない、仲間と集まれる場所、ウェビナー開催などのための発信スペース、集中して業務に当たれるスペースの需要もある。以前はクリエーティブなオフィスを求める企業は限られていたが、こういったオフィスとリビングの境界を越えたクリエーティブオフィスが求められるケースが増えたという。
さらに、地下1階には、恵比寿エリア初出店となる「TSUTAYA BOOKSTORE」が登場する。「インスパイアされる空間で『自分らしいすごしかた』が見つかる場所」をコンセプトとして、シェアオフィスとラウンジ両面の機能を備えもつ「SHARE LOUNGE」を併設している。
また、周辺ワーカーから要望の多かった出勤・始業前の充実した朝時間を過ごせるカフェを拡充。地下1階には、「宮越屋珈琲」、ティーに特化した「スターバックス コーヒー 恵比寿ガーデンプレイスセンタープラザB1店」、レストラン カフェ ワイン&ショップの「アトリエ ララ」、1階にカリフォルニア ライフスタイルを象徴するコーヒーブランド「VERVE」がオープンする。
そのほか、地下1階には、WELCOMEグループのインテリア・生活雑貨「TODAY’S SPECIAL」、ファッション・シューズ・生活雑貨「PASSAGE DU STOCKMAN」、ワールドグループのキッチン・生活雑貨「212 KITCHEN STORE」もそろう。
■センタープラザ
面積:約2万2000m2(地下2階から2階)
リニューアル開業:地下2階「フーディーズガーデン」2022年4月15日、地下1階から2階2022年11月8日
■恵比寿ガーデンプレイス
所在地:東京都渋谷区恵比寿4丁目、東京都目黒区三田1丁目
開業:1994年10月
用途:オフィスタワー、商業、文化施設、ホテル、住宅などからなる大型複合施設
運営会社:サッポロ不動産開発
敷地面積:約8万3000m2
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