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すかいらーく/ガストの環境配慮型店舗を初出店、電気代約15%削減見込む

2023年08月07日 16:44 / 店舗レポート

すかいらーくホールディングスは8月11日、東京都東村山市にガストの環境配慮型店舗を初出店する。8月7日、メディア向け内覧会を開催した。

<店舗外観>

同社は、脱炭素化社会の実現に向けてCO2排出量の削減に取り組んでおり、2050年までに排出量の実質ゼロ化を長期目標として掲げている。ガストで初となる環境配慮型店舗のオープンはその取組の一環で、実験店舗でもあるという。太陽光発電設備とCO2フリー電力を導入することで、消費電力を100%再生可能エネルギーで対応した。

カーボンニュートラル都市ガスを導入し、電気とガスどちらもCO2排出量を実質ゼロで運営することで、年間約88トンのCO2を削減するという。店内には、LED照明や人感センサー、シーリングファンの導入などで省エネ化も図っている。

同店について、執行役員 店舗開発本部の梅木郁男マネージングディレクターは「再生可能エネルギーは通常の電力と比べ値は張るものの、さまざまなもの(空調など各種省エネ施策)を組み合わせて導入することで、約15%ほど電気代の削減を見込んでいる。省エネの取組を組み合わせた時に、どれほどの相乗効果が出るのかを検証していく」と説明した。

また、「季節によって消費電力が異なるため、1年を通して見ないと成果は分からない。効果が出たものについては、既存店に随時導入する。新しい取組が多く、導入コストは全体で約1.1倍だが、厨房機器のリユースなどで金額を抑えた。今後も実験店舗を出店する可能性はある。現在の取組以上の技術が登場すれば、新店や既存店に都度取り入れ繰り返し実験していく。弊社に賛同いただける企業があればパートナーを増やし、ノウハウを分かち合って研究していきたい」と話す。

<消費電力の3割を太陽光発電でまかなう>

※写真:すかいらーく提供

屋根には太陽光パネル144枚設置し、54.72kWの発電を行う。店舗の消費電力の3割を太陽光でまかない、残りの7割はCDエナジーダイレクトの調達するCO2フリー電力を用いることで、CO2排出量を実質ゼロ化した。

<内装も省エネ化>

店内上部は、自然光を取り入れられる造りにして日中の照明を調光し、消費電力を抑えている。シーリングファンを回転させることで、室内の空気を循環させて空調の省エネ化も向上させ、空調自体もエネルギー消費量を抑えたものを導入した。LED照明を取り入れることで消費電力や発熱量をカット。客席トイレなど一部のエリアでは人感センサーによって電気のオン・オフを切り替え可能だ。

<資源を有効活用>

資源の有効活用にも注力している。店内を飾るガラス照明は、廃棄する蛍光灯をアップサイクルしたもので、客席も既存店舗で背もたれなどが傷んだ家具をリメイクして再利用している。そのほか、林業を通じて地域活性化につながる木材「とうきょうの木・多摩産材」を店内の一部に使用。本物の緑も店内に植えている。

また、店の外には西日を感知するセンサーを設置して、外部照明や看板などの自動点灯に利用。従業員の作業軽減につなげた。

<エアカーテン導入などで厨房を快適に>

同店の厨房は従業員に配慮した造りになっており、夏場でも涼しく快適に利用できるのが特徴だ。

その仕組みについて、店舗開発本部 建設グループ 店舗建設改善チームの田川治リーダーは「厨房で働く従業員に配慮して、熱機器から出る空気が厨房内に流れないようにエアカーテンで熱気を遮断した。外調機も導入し、温度調整された外の空気を取り入れることで、涼しく快適な労働環境を従業員に提供できる。厨房機器は閉店店舗からの引き上げ品を使っており、廃棄物も抑制している」と説明する。

さらに、キッチンから配膳ロボットが出入りしやすいレイアウトにすることで、スタッフとロボットの連携がとりやすい工夫も凝らしている。

■ガスト東村山市役所前店
所在地:東京都東村山市本町1丁目17-2
店舗面積:297.39m2
敷地面積:1179.92m2

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