ニラックス崎田社長/イタリアン新業態「ぺルティカ」五感で楽しむリゾート演出

2024年09月02日 10:00 / 店舗レポート

すかいらーくホールディングスのグループ会社であるニラックスは8月26日、新業態「ITALIAN RESORT PERTICA(イタリアン リゾート ペルティカ)」(東京都小平市)をオープンした。リゾートホテルをイメージしたイタリアン業態で、2025年以降、関東を中心に3年間で30店舗を目指す。業態開発の工夫と意気込みを崎田晴義社長に聞いた(取材は8月22日)。

<崎田社長>

――コンセプトについてお聞かせください

崎田 「ぺルティカ」はイタリア語で「止まり木」という意味を持っています。人々が楽しさ、癒しを求めて集う場所という思いを込めて、この店名にしました。コンセプトは五感で味わうリゾートレストランになります。リゾートホテルを思わせる非日常感、枠にこだわらない体験型メニュー、凛として気の利くサービス、大切な人を連れていきたくなる店を、すかいらーくグループとして作りたいと思っています。

――想定されているターゲットは

崎田 まず平日は、30~50代の女性に来ていただきたいと思います。お子さんのいる家庭には、土日やディナーでファミリー使っていただきたい。ディナーでは雰囲気を変えて、ろうそく型ライトを各テーブルに設置します。ご夫婦で何かの記念の時に来てもらうといった使い方も想定しています。

<セットメニュー>

お客様が普段、日中によく使う店って、それぞれあると思うのですが、もしセットメニューが3000円台だと中々使いづらい店になると思います。ぺルティカでは、税別1499から3つのコースを用意していますから、ほんとちょっとだけ、非日常を味わっていただけるようにしています。すかいらーくグループの力を最大限使わせていただいて、出来うる限りの価格設定を実現しました。

――人材の確保は

崎田 今回は転換店舗になりますので、元ジョナサン(小平店)のスタッフに残っていただきました。マネージャーも元ジョナサンです。採用は当初、大丈夫かなと思ったのですが、現在約70名のスタッフがそろっていまして、その点は良かったなと。

<オープンキッチンとインペリアルドリンクバー>

働く人も、どんな店舗でも働きたいわけではないと思っています。働くならば、どのような雰囲気の店であるかなど、さまざまな条件があると思いますが、たぶんそのイメージに合致したのかなと。スタッフは想定以上に採用できています。

トレーニングについては、すかいらーくグループ3000店舗のトレーニングノウハウがあります。採用した人を短期で一人前にするプログラムがしっかりあるため、それに基づいて行うため特に心配はありません。色んなノウハウの中でセントラルキッチンを最大限活用していることもあり、まったくゼロから始めるよりは負担が軽減されています。

――サービスが充実していますね

崎田 グループ3000店舗の仕入れ、購買パワー、どこよりも価値のある物を安く仕入れできることがベースにあります。セントラルキッチンは全国10カ所にあり、物流も自社で行う。それらのベースに加えてDXも推進し、タブレットオーダーを設置しました。

この内・外装でタブレットはどうだろうと思う方もいるかも知れませんが、あえて入れました。いまのお客様は、かなりの方がタブレットに慣れてきています。自分の好きなタイミングでオーダー入れたい人にはタブレットでオーダー入れていただく。

一方、タブレットが苦手、触りたくない、面倒だよねという人には、全力でスタッフがオーダーをお取りします。ハイブリットの仕組みです。レジも同様です。これくらいの内装だったら、しっかりレジ打ちしてほしいと思う人もいる。けれどセルフレジで早く帰りたい人もいる。

<レジ>

これらのDXをしっかり入れた分、生じた時間をすべてお客様のために使います。ワゴンサービスのほか、フロアにすり鉢を持って行って、お客様に擦ってもらったジェノバソースをまた回収してキッチンとの間を2往復するなど、こうした労力もかけます。デジタル化を進めて余裕が出た分を、すべてお客様に投資するのがぺルティカの考え方です。

――内装のこだわりは

崎田 店舗は元々がジョナサンで、天井を取り除き、屋根裏の何もないところに断熱材を入れて仕上げました。空間でリゾート感を出すためには、天井があると圧迫感を感じてしまう。外を見ても、山があるわけでも湖があるわけでもない。店内だけでリゾート感をいかに出すかを考えたときに、天井を落として照明もつけてファンを回すことでリゾート感を演出しました。

<開放感を演出>

今後、全部の店舗が構造的に天井を落とせるものではないと思っていますけど、できる限り落としていきたいですし、立地的に自然環境に恵まれていれば、無理に天井を落とさなくても窓から見える景色でリゾート感を出せる。元々のグループの箱に応じて、臨機応変に設計・デザインをしていきます。

一部テーブル席にある、あたかも燃えてるように見える暖炉は、リゾート感を出すための一つの仕掛けです。本物の薪を使うわけにはいかないですから、雰囲気を楽しんでいただきたい。たまにパチパチって音がします。店内がうるさいと聴こえませんが、ディナータイムだと聴こえてくると思います。

――看板が特徴的ですね

崎田 ポール看板は、今後のグループ転換を見据えた「止まり木(ぺルティカ)」デザインにしました。今後、グループのポール看板にも、このデザインを活用することで、ぺルティカに転換しやすくします。

<入り口と看板>

既存店には、屋根もあれば、まっ平の四角い物件もあって、ブランドのイメージを出しにくいケースがあります。そこでぺルティカでは、止まり木をデザインすることで、それだけでお客様に認知してもらいやすくしました。看板の印象が強いと、記憶に残りやすいと思いますから、丸とか四角ではなくて「お家」の形にしました。

――意気込みをお聞かせください

崎田 開発企画からちょうど1年かけてオープンを迎えました。今回「心を満たす2時間」というキャッチフレーズも作っています。お腹を満たす手段は、コンビニ・レストラン・ファストフードなどたくさんありますが、我々にとって、お腹満たすのは当然のこと。お客様の心も満たしたいです。

■ITALIAN RESORT PERTICA
所在地:東京都小平市小川町2-1813
アクセス:西武多摩湖線「青梅街道駅」より徒歩1分
営業時間:10時30分~23時(ディナー17時~、LO.22時)
定休日:なし
駐車場:48台
総席数:110席(テーブル34卓)、個室なし(半個室あり)、全席禁煙

取材・執筆 古川勝平

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